3.6 【男女別】厚生年金・平均年金月額
男性の平均は16万3380円、女性の平均は10万4686円となりました。こちらが一人分の年金額です。
厚生年金を男女別でみると、平均月額で約6万円も差があるとわかります。
女性の受給額が少ない理由には、育児や介護などが挙げられます。これらの理由によって働けなくなり、専業主婦や扶養内パートになる方が多かったからです。
ボリュームゾーンは、男性の場合「17万円~18万円」、女性の場合は「10万円~11万円」の受給額帯です。
4. 10月から年金振込額が変わる人はどんな人?
最新の統計から読みとれる年金の平均額をご紹介しましたが、老後資金については「手取り額」で考えることが大切です。
一般的に年金は「住民税や介護保険、健康保険」などが天引きされた後の金額が振り込まれます。
ただし、これらの天引きされる金額は、6月に決定された前年度の所得をもとに10月に年度分として本決定します。
つまり8月までは所得が確定していないままの「仮徴収」として、前年2月と同額が天引きされる仕組みなのです。
年度の区切りと重なるため「4月から当該年度の税金・保険料支払いが始まる」と思ってしまいがちですが、実際はずれて確定されます。
10月からの手取りに違いが出る場合もあるので注意が必要です。
※自治体によっては8月を本徴収の開始としているところもあります。スケジュールや実際の振込額については、個別にご確認ください。
なお、10月から介護保険料等の特別徴収額が変更となって年金の振込額が変更となる方には「年金振込通知書」が届く予定です。
送付される書類にはしっかり目を通すようにしましょう。
5. 年金生活に向けてできる準備は?
今回は「標準的な夫婦」や「ひとり分」の国民年金・厚生年金の月額を眺めてきましたが、いかがでしたでしょうか。
国が準備してくれる二階建て年金で足りそうな人を除いた、大多数の方が不安の残る内容だったのではないでしょうか。
不安な方は、自分で年金を“三階建て”へ増築してあげることも重要でしょう。
代表例といえば、初心者でもスタートしやすい「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や個人年金保険などが挙げられます。
税金面でメリットを享受できるものを検討してみるのも一案です。
まずは自分に合うマネープランを探してみてはいかがでしょうか。
参考資料
足立 祐一