世界遺産検定を主催するNPO法人世界遺産アカデミーは、「卒業旅行で行きたい世界遺産」と、「『大人』の修学旅行で行きたい世界遺産」の結果を発表した。これは今年7月に行った第28回世界遺産検定の公開会場受検者7,314名に行ったアンケートに基づくもの。
学生3,265名を対象にした「卒業旅行で行きたい世界遺産」のランキングでは、1位にフランスの「モン・サン・ミシェルとその湾」、2位にはイタリアの「ヴェネツィアとその潟」、3位にフランスの「パリのセーヌ河岸」という華やかな遺産が上位を占めた。トップ10のうち6割がヨーロッパの文化遺産だった。
受検者からは「写真映えしそう」(「モン・サン・ミシェルとその湾」/大学生 3級)、「聖堂などの前で写真を撮りたい」(「パリのセーヌ河岸」/高校生 2級)といった声が数多く上がった。この結果を受け、世界遺産アカデミー主任研究員・宮澤光氏は「“インスタ映え”を重視する若い人の傾向がこのアンケートでも見られる」と分析している。
一方、学生以外の受検者2,685名を対象にした「『大人』の修学旅行で行きたい世界遺産」のランキングでは、5位と10位に「アウシュヴィッツ・ビルケナウ:ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)」(ポーランド)と、「広島平和記念碑(原爆ドーム)」(日本)といった「負の世界遺産」がランクインした。
宮澤氏は「学生のランキングと比較し、華やかさよりも学びのテーマ性を重視しているのではないか」と分析。また、トップ10の半数が日本の世界遺産となっており、より現実的に旅行先をイメージしていることが読み取れるという。
LIMO編集部