2017年12月5日、パナソニック エコソリューションズ社は、自社にあったプラズマディスプレイパネル(PDP)の開発・製造技術を応用し、約6mmの薄さで業界最高クラスの断熱性能を持つ真空断熱ガラスの量産化に成功したと発表した。
同社は2014年にPDP事業からは撤退しているが、今後は、そこで蓄積された生産技術を、断熱ガラスという新たな事業分野で活用していくことになる。
今回の製品の特色は2つある。
第1は、フラットですっきりした製品外観である。これは、同社の独自製法によるもので、一般的な断熱ガラスで2枚のガラス間に真空空間を形成する際に必要な排気孔の封止部がガラス表面にはないためである。
これによって、外観上のデザイン性だけでなく、施工性や他の部材とのアセンブル性も高まることになる。
第2は、 環境面・安全面に優れていることである。
これまでPDPで使用していた真空封着材は、鉛を使用せずに高度な真空度の維持・耐久性を実現していたが、今回の真空断熱ガラスも、この真空封着材を応用することで、鉛フリーを実現している。
このため、一般家庭用、業務用を問わず、採用から廃棄までの期間を通じて環境面、安全面で安心して使うことが可能となっている。
同製品は、同社の完全子会社である米ハスマン社のコンビニ・スーパー向け屋内用自動ドアに先行採用される。今後も、こうした環境に優しい断熱ガラスの活用場所がさらに広がっていくかが注目される。
LIMO編集部