最高裁判所事務総局の「令和4年司法統計年報概要版 1 民事・行政編」(2023年8月公表)によると、2022年における個人の自己破産は6万4833件にものぼります。
個人の自己破産は毎年少しずつ減少しているものの、中には高収入でありながら自己破産を起こすケースも少なくありません。
本記事では、元銀行員の筆者が高収入でも自己破産する人の特徴について解説します。
自己破産とは?
自己破産とは、借入の返済が行えないことを裁判所に申し立て、その返済を免除してもらう手続きです。
自己破産の手続きが認められると、税金や罰金の支払いなど一部の例外を除き、すべての借入の返済が免除されます。
たとえば、失業や離婚などで生活が大きく変わり、借入の返済が難しくなったときに自己破産を行うことで、再度生活を立て直すことができます。
借入の返済負担を軽減する手続きには、他にも「任意整理」や「個人再生」といったものがありますが、ほぼすべての返済を免除してもらう自己破産の手続きは「最後の手段」ともいえるでしょう。
高収入でも自己破産してしまう人はいる
日本弁護士連合会の「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、自己破産を起こした人の平均月収は14万2021円となっています。
ただし、その中には月収が30万円以上の人も4.11%含まれており、高収入でも自己破産に陥る人がいることが分かります。
高収入の人は、一見借入とは無縁のように思われますが、暮らしぶりやお金との向き合い方によっては収支バランスが崩れてしまうことも珍しくありません。
高収入でも自己破産してしまう人の3つの特徴
ここからは、高収入でも自己破産してしまう人の特徴について紹介していきましょう。
計画を立てずにローンを組む
ローンを組む際は、「いつまでに返済ができるか」、「毎月の生活費に支障がないか」ということをよく考えなければなりません。
特に、住宅ローンなど大きな借入を行うときは返済シミュレーションをしっかりと行う必要があります。
前述の日本弁護士連合会の調査では、自己破産に陥った原因についても調査が行われており、「住宅購入」と答えた人が7.26%の結果となりました。
高収入の人は、住宅ローンなどの大きな借入が行いやすい傾向にあるものの、それによって収支バランスを崩してしまう可能性もあります。
ローンを組むときは「借りられるだけ借りる」のではなく、計画性を持って借入金額を決めることが大切です。
家計の収支が管理できない
健全な収支バランスを保つためには、毎月の家計の管理を行うことが欠かせません。
「毎月の収入に対して、支出はこれくらいだ」と把握できていれば、借入が膨らんで返済が追いつかなくなることはあまり考えられないでしょう。
いくら高収入でも、入ってきたお金を無計画に使っていれば、生活が回らなくなることは十分考えられます。
毎月安定したお金が入ると、つい家計管理もサボりがちになってしまいますが、収支バランスを保つためにもしっかりと収支を記録しておくことが大切です。
貯蓄に取り組んでいない
自己破産が認められるのは、借入の返済について「支払不能」であると判断されたときです。
支払不能であるかどうかは、「今後の収入の見込み」や「保有している金融資産」によって判断されます。
一定額以上の収入があるにもかかわらず自己破産が成立したのは、返済に充てられる貯蓄額がなく、なおかつ今後の収入をもってしても継続的に返済していくことが難しいと判断された可能性が高いでしょう。
「安定した収入があるから大丈夫」と貯蓄に取り組まずに借入ばかりが膨らんでいくと、最終的に自己破産に陥ってしまうことも考えられます。
高収入の人も必ず家計管理に取り組もう
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高収入の人が自己破産に陥るのは、きちんと家計管理を行わず、計画性のないローンを組んだり、貯蓄を行わなかったりすることが主な要因です。
高収入の人は、つい「収入があるから大丈夫だろう」と油断してしまいがちですが、その油断が収支バランスを崩すきっかけになることもあります。
健全な家計を保つためには、毎月の収入と支出をしっかりと管理することを心がけましょう。
参考資料
椿 慧理