以下、2022年3月~2023年3月の一連の動向を時系列で記載する。
- 2022年3月:インフロニアHDが東洋建設へのTOB(1株あたり770円)を開始
- 2022年4月:YFOが東洋建設の株式を買い増し保有割合が27%超の筆頭株主になる
- 2022年4月:YFOは市場価格よりも割安であるTOBへの賛同の取り消しを求める
- 2022年4月:YFOが東洋建設に買収提案(1株あたり1000円)
- 2022年5月:インフロニアHDによるTOBが目標数の株式を集められずTOB不成立となる
- 2022年10月:YFOと東洋建設との間で協議を開始
- 2022年12月:話し合いが平行線でまとまらず協議は打ち切りとなる
- 2023年1月:YFOが東洋建設の定時株主総会で取締役再任案に反対および独自候補を株主提案すると発表
- 2023年3月:YFOが東洋建設取締役会の再編実施のために、臨時株主総会の招集を東洋建設に要請する(会社法第297条1項、2項)が、東洋建設は臨時株主総会招集を拒否。そのため、YFOは、2023年3月13日、大阪地方裁判所に臨時株主総会の招集許可の申立て(会社法第297条4項)を提起。
- 2023年3月:東洋建設が「配当性向を100%とする」とする配当予想を公表して、株価引き上げを画策する(著者注:YFO提示のTOB価格1000円には到底届かず、終値1000円となったのは定時株主総会直前の2023年6月6日であった)
東洋建設の2023年株主総会
2023年6月27日、東洋建設の株主総会が開催された。
株主総会に先立ち、YFOからは取締役9名選任および監査役1名選任の株主提案が提出されていた。
株主総会での決議により、
- 東洋建設提案:取締役候補11人中6人、監査役候補2名中1名が賛成多数で可決となり選任
- YFO提案:取締役候補9人中7人、監査役候補1名中1名が賛成多数で可決となり選任
となり、取締役の過半数(13人中7名)をYFO提案者が占めることとなった。