3. 年金が少ない人への支援
年金が少ない人は意外に多いものです。厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金を受給する人でも月額10万円未満(老齢基礎年金を含む)という方は、23.2%にのぼります。
低年金の方に対し、国や自治体による支援は年金生活者支援給付金にもあります。
例えば、国による生活困窮者自立支援制度は2015年(平成27年)4月に始まった支援制度で、生活や住まいに関する悩みについて、専門機関と連携して解決に向けた支援を行います。
困窮の現状に合わせ、例えば家賃相当額の支給や、住居のない方への衣食住の提供などが行われているようです。
また厚生年金を受給している人でも、年金額が少なければ生活保護を受給することは可能です。
実際、生活保護人員のうち65歳以上は半数以上に上ります。
他にも自治体独自の支援は多く用意されています。
ただし、こうした支援で老後生活を豊かにできるとは言えません。あくまでも最低限の日常を保障する制度のため、自分の老後は自分で彩り豊かにしていきたいものです。
年金額の実情を知った上で、現役時代のうちから老後対策をすることが求められるでしょう。
4. 年金収入が少ない人の老後対策
年金やその他の所得が一定以下の場合、要件を満たせば年金生活者支援給付金が受けられます。
その他、申請制となる助成制度はたくさんあるため、通知される文書うあ広報などにはしっかり目を通しておきたいですね。
一方で、自分の老後生活を豊かにするために、年金以外の老後資金を準備することも大切です。
貯蓄だけでなく、資産運用で資産を守りつつ増やす方もいます。iDeCoや個人年金保険などで、独自の年金を作る方もいます。
また民間の生命保険の仕組みを駆使すれば、積み立てたお金を年金形式で受け取る方法もあります。
日本の年金制度のみをあてにするのではなく、自分年金の仕組みをしっかりと作っていき、老後の生活を豊かにしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
- 厚生労働省「よくあるご質問(Q&A)」
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「[年金制度の仕組みと考え方]第3 公的年金制度の体系(年金給付)」
- 厚生労働省「福祉・介護 制度の紹介」
杉田 有毅