口座開設のときに銀行で確認されること

銀行では、口座開設のときに本人確認を行いますが、氏名や住所、生年月日のほかにもさまざまな項目のヒアリングを行います。

具体的にどのようなことが聞かれるのか解説していきましょう。

氏名・生年月日などの基本情報

銀行では、口座開設の際に氏名や生年月日、住所などの本人確認を行うことが義務付けられています。

開設書類に記入した内容は、運転免許証などの本人確認書類と相違がないか細かくチェックされます。

筆者が銀行員時代によく上司から言われていたのが、「氏名の漢字を間違って書いた場合は要注意」ということです。

例えば、引っ越したばかりで住所を書き間違うことはあっても、自分の氏名の漢字を間違うことはあまり考えられません。

そのため、氏名を誤って書いた場合は「他人が成りすましているのではないか」という目を持つことを教えられていました。

銀行取引の目的

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銀行では、口座開設を行う目的についてもたずねます。

これは、マネーローンダリングを防ぐために最も重要なポイントです。

口座開設を行うときは、「給与・年金の受け取り」や「貯蓄用」などきちんと目的を持っていることがほとんどで、「何となく口座開設を行う」という人は少ないですよね。

そのため、「〇〇のために使う」といった明確な回答が得られない場合は、犯罪に使われる可能性が高いとして、さらに厳しくチェックを受けることとなります。

また、「日常の決済用」といった理由であれば、「今使っている口座で事足りるのではないか」といったことまでたずねることもあります。

「新たに口座を作ったものの、あまり使わなかった」ということになると、いずれ犯罪に利用されてしまう可能性が高くなるためです。

このように、取引の目的は銀行が最も確認したいポイントでもあります。

「なぜこんなことまで聞かれるのだろう」と思うかもしれませんが、犯罪を防ぐための対策ですのでぜひ協力してあげましょう。

口座開設者の勤務先

口座開設の際は、勤務先に関する情報もヒアリングを受けます。

特に、取引の目的で「給与の受け取り」と回答した場合は、会社名や勤務先の連絡先までたずねられることが一般的です。

筆者も銀行員時代に、お客さまから「こんなことまで書くの?」と驚かれたことがありますが、これは給与の受け取りを装った口座開設を防ぐことを目的としています。

ただ「給与の受け取り」と答えただけで口座開設ができるのであれば、「本当に給与の受け取りを行う人」と「犯罪目的で口座開設を行う人」の区別がつきません。

しかし、勤務先までヒアリングを行えば、犯罪目的の人が虚偽の申告をすることが難しくなるでしょう。

本当に給与の受け取りを行う人にとっては煩わしく感じられるかもしれませんが、これも犯罪を防ぐための大切な対策のひとつなのです。