【マネーフォワード新サービス】相続にフォーカスした開発背景
一般的に相続にはネガティブなイメージが強くあります。同社が実施した調査(回答者:マネーフォワード ME利用者451人、期間:2023年7月25日~8月7日)によると、「相続についてネガティブに感じる」と回答した人は32.4%(ポジティブが17.1%、ニュートラルが50.6%)。その理由として挙がったのは、「複雑そう、面倒そうに感じる」「親族間のトラブルにつながりそう」「相続税などがかかってしまう」などでした。
実際に過去5年間の家事審判・調停事件の中でも「遺産の分割」に関する事件数は属明け以降にあるそうです。内訳をみると、意外にも1000万円以下の場合が約3割を占めており、資産金額の大小は関係ないことが分かります(情報元:令和4年 司法統計年報(家事編))。
お金のバトンの開発が行われた背景には、こうした状況に加えて、日本の総人口に対する65歳以上の割合が上昇している(=相続件数が増えている)こと、相続に関する法制度の変更や新設が相次いでいることなどもあります。
【マネーフォワード新サービス】事業全体の中でのポジショニング
お金のバトンが掲げるビジョンは「家族に残す資産(お金や情報)の活用において、迷いのないソリューションを提供する」。今後、サービスを展開しながら、外部の協力会社と協力して新たな機能の実装や体験改善を行っていくとのことです。
ホームカンパニー事業開発部の佐藤慎吾・副部長は「お金を見える化する『マネーフォワード ME』が第1段階とすれば、資産形成をサポートしていく『資産形成アドバイスコース(マネーフォワード MEのプレミアムサービス)』や『お金の相談』が第2段階、そして資産の継承をサポートするお金のバトンが第3段階にあたる」とサービスのポジショニングを説明しました。
ターゲットは大きく分けて2つのセグメントを想定しています。1つは自分の親に対する将来の備えがしたいと考えている、あるいは必要性やリスクに気づいていない相続人となる潜在層(30~40代)、もう1つは緊急性が高いが知識がない、最初に何をすればよいか分からないといった被相続人となる顕在層(50~60代)。同社はサービス訴求のために、オフラインでのセミナーなどを含め、双方にアプローチしていく考えです。
参考資料
大蔵 大輔