2. 高齢者世帯の所得はいくらか

では、2021年調査の高齢者世帯の所得はいくらでしょうか。

出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

2020年の高齢者世帯の所得は332万9000円※1。2018年の312万6000円から増加しているのがわかります。

※1「2021年調査」の所得とは、2020年1月1日から12月31日までの1年間の所得のこと。

なお、2020年の「特別定額給付金」については、「所得」の一部として調査したところ未記入等の調査票がみられましたが、特段補完処理を行わず集計等の分析が行われています。

出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

高齢者世帯の所得の内訳を見ると、年金が207万4000円、雇用者所得が58万7000円、財産所得が22万9000円、仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得が28万8000円などとなっています。

出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

各種世帯の生活意識をみると、高齢者世帯の50.4%が生活が苦しいと答えていますが、全世帯の53.1%に比べると低くなっています。

生活意識については、2021年7月8日現在となっているため、物価高の多い今年はまた違った結果が見られるでしょう。

3. まとめにかえて

高齢者世帯の総所得における年金の割合は、大きく変化しつつあることがわかりました。

2022年度の年金受給額は、昨年度より0.4%減額となっています。

一方で年々働く高齢者も増えており、そういった面も今回の結果に影響したのかもしれません。

今後も高齢者世帯にまつわるお金は大きく変化していくと考えられるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子