内閣府が公表している「令和4年版高齢社会白書(全体版)第1章 高齢化の状況(第2節 1)」によると、高齢者の就業率は上昇。
2021年時点のシニアの就業率は、65歳~69歳が50.3%、70歳~74歳は32.6%。2011年から10年間で、10%前後も上昇しています。
働きたいシニアがいる一方で、悠々自適な老後生活を過ごしたいシニアも多いでしょう。
近時では退職年齢が伸びているとはいえ、70歳にもなると退職金制度がある会社に勤めている方は、退職金も受け取り一定の貯蓄がある生活を想像しているかもしれません。
では実際にはどうでしょうか。今の70歳代は、一般的には60歳で定年を迎えていると考えられます。
定年を迎えてから10年経った今の70歳代のリアルなお金事情を眺めていきましょう。
1. 70歳代以上「貯蓄額2000万円」を超える世帯はどれほどいるのか
かつて話題となった「老後2000万円問題」。いまのシニア世代はクリアできているのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」によると、70歳代以上の貯蓄の平均額は2411万円です。
1.1 70歳代以上の貯蓄現在高(187万4554世帯)
70歳代世帯の貯蓄現在高について、金額ごとの世帯数を見ていきます。
70歳代以上の平均貯蓄額:2411万円
- 100万円未満:14万896世帯
- 100万円~:6万4999世帯
- 200万円~:6万426世帯
- 300万円~:6万9205世帯
- 400万円~:6万2104世帯
- 500万円~:7万670世帯
- 600万円~:5万2589世帯
- 700万円~:4万9056世帯
- 800万円~:6万433世帯
- 900万円~:4万6408世帯
- 1000万円~:10万9329世帯
- 1200万円~:8万5755世帯
- 1400万円~:6万9842世帯
- 1600万円~:8万2145世帯
- 1800万円~:5万9305世帯
- 2000万円~:15万265世帯
- 2500万円~:12万1065世帯
- 3000万円~:17万7308世帯
- 4000万円~:33万4754世帯
グラフを見ると「4000万円超」の世帯が33万4754世帯と最多です。
貯蓄額「2000万円」を超える世帯は、合計78万3392世帯で70代以上総世帯の約42%を占める結果に。
一方で、現在貯蓄高が100万円に満たない世帯は14万8896世帯で約8%です。
もともとあった貯蓄を取り崩した結果なのか、この貯蓄額をずっと維持しているのか。このデータからは背景まで知ることはできませんが、貯蓄が多い世帯と少ない世帯ではっきりと二極化しているのが見てとれます。