まだまだ厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
毎年のように異常気象という言葉がニュースなどでも報道されておりますが、もはや異常ではなくこれが正常になってくるのかもしれませんね。
先日、大学時代の友人たちと17年ぶりに集まり昔話に花を咲かせました。
気持ちはあの頃のままですが、あっという間に月日が経ったと口を揃えて話しておりました。
私の仕事を知っているという事もあり、周りからは「やっぱり老後の積立とか始めておいた方がいいのかな。」という質問が飛び交っておりました。
友人たちも少なからず老後に対して不安に思っているようでした。
そこで本日は、皆様が疑問に思う年金・貯蓄・支出のバランスについて見ていきたいと思います。
1. 65歳以上世帯の「貯蓄額」はどれほどか
最初に、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、65歳以上「二人以上世帯」の貯蓄額を確認していきます。
1/4
出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 平均値:2414万円
- 中央値:1677万円
平均値と中央値で700万円ほどの差が生じていますね。
平均値は、著しく大きい数値に引き上げられたり、小さい数値に引き下げられたりするので、ここでは中央値を参考にしておきましょう。
中央値は、データを大きい順、あるいは小さい順に並べた時にちょうど真ん中に来る数値です。平均値より実態に近いと考えられています。
しかしながら、グラフを見ると、2000万円を超える世帯が42.5%なのに対し、1000万円未満は約36%と、貯蓄額は世帯により大きく違うことが分かります。
”65歳以上”の貯蓄額データですので、これから退職金の受け取りがあるという世帯は多くないでしょう。貯蓄額が少ない世帯は、最低限、月々の生活費を年金収入でカバーしておきたいものですね。
2. 「厚生年金と国民年金」平均月額はどれほどか
では、老後の収入の柱となる老齢年金(厚生年金または国民年金)の月額の平均を見ていきましょう。
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と国民年金の月額平均は次のとおりです。
2.1 厚生年金の平均月額
厚生年金の男女全体平均月額:14万3965円
- 男性平均月額:16万3380円
- 女性平均月額:10万4686円
※上記の厚生年金受給額には国民年金(基礎年金)部分を含みます。
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
厚生年金の平均は14万3965円、ボリュームゾーンは9万円以上~11万円未満です。
厚生年金の年金額は、現役時代の収入や年金加入期間に応じて決定し、年金制度の基礎部分となる国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして支給される仕組みです。
現役時代の働きぶりが年金額にも影響することを知っておきましょう。
2.2 国民年金の平均月額
次に、国民年金の平均月額を見ていきます。
国民年金の男女全体平均月額:5万6368円
- 男性平均月額:5万9013円
- 女性平均月額:5万4346円
国民年金の平均月額は男女で大きな開きはありません。
- 1万円未満:7万27人
- 1万円以上~2万円未満:28万4152人
- 2万円以上~3万円未満:90万3006人
- 3万円以上~4万円未満:274万9550人
- 4万円以上~5万円未満:463万6048人
- 5万円以上~6万円未満:791万730人
- 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
- 7万円以上~:187万2466人
ボリュームゾーンは6万円~7万円未満でした。満額、あるいは満額に近い年金を受け取っている人が多いようです。
ご参考までに、2023年度の新規裁定者(67歳以下)の国民年金満額は、月額6万6250円です。
これは、国民年金の加入期間となる20歳~60歳未満までの40年間、全ての保険料を支払った場合に受給できる、2023年度における満額の国民年金額になります。
年金額は、毎年度見直しが行われるものの、大きく変動する性質のものではありません。
老後、国民年金のみを受給する自営業者などは、公的年金以外の収入源や取り崩し可能な資産を準備しておく必要があるでしょう。
2.3 夫婦2人世帯の合計年金額
男女それぞれの平均年金月額を用いて、夫婦2人世帯の合計年金月額をみてみましょう。
夫婦ともに厚生年金:26万8066円
• 夫16万3380円+妻10万4686円
夫は厚生年金・妻は国民年金:21万7726円
• 夫16万3380円+妻5万4346円
夫は国民年金・妻は厚生年金:16万3699円
• 夫5万9013円+妻10万4686円
夫婦ともに国民年金:11万3359円
• 夫5万9013円+妻5万4346円
近年は、夫婦ともにフルタイムで働く世帯が増えています。
「厚生年金+厚生年金」の夫婦であれば、老齢年金だけで生活費をカバーすることも可能かもしれません。
最後に、シニアの生活費がどれくらいか平均を確認しておきましょう。
3. 65歳以上世帯の平均的な生活費はどれほどか
総務省「家計調査報告 家計収支編 2022 年(令和4年)平均結果の概要」をもとに、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の平均的な生活費を確認していきましょう。
3.1 65歳以上「無職の夫婦世帯」家計収支
- 実収入:24万6237円(うち社会保障給付:22万418円)
- 支出合計:26万8508円
◆消費支出:23万6696円
- 食料:6万7776円
- 住居:1万5578円
- 光熱・水道:2万2611円
- 家具・家具用品:1万371円
- 被服及び履物:5003円
- 保健医療:1万5681円
- 交通・通信:2万8878円
- 教育:3円
- その他:4万9430円
- 教養・娯楽:2万1365円
◆非消費支出:3万1812円
収入「24万6237円」に対して、支出が「26万8508円」。
平均的な生活費では、毎月2万2271円の赤字となるようです。
2万円程度であれば、支出を見直せば赤字を解消できるかもしれません。
しかし、老後は医療費の負担増や介護への備えも考慮しておく必要があります。備えがあれば、精神的にもゆとりをもって老後を迎えることができるでしょう。
備えあれば憂いなし。自分目線で「これだけあれば安心だ」と思えるくらい、準備しておきたいものですね。
4. できることから確認を!
ここまで、貯蓄額や年金額、生活費の現状を確認してきました。
その中でも老後の収入として大切な年金は少子高齢化の影響もあり、年々減っていくかもしれません。
そのような中で現役世代の皆さんは、現状を踏まえて計画的な貯金、資産運用を始めていくとよさそうですね。
貯金や資産運用は時間が味方になってくれますので、一日でもはやく始めることも大切かもしれません。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」
渡邉 珠紀