新NISAで何が変わる?
前章でお伝えしたように、現行のNISAでは年間投資額の上限枠が少ないうえに、非課税で保有できる期間が短かったことから、「老後資金」といった長期投資を目的とした場合、やや懸念点がありました。
しかし2024年から新たに始まる「新NISA」では、年間投資額が大幅に増額され、非課税で保有できる期間が無期限となりました。
新NISAでは、現行のNISA制度で懸念されていた課題が改善されるため、NISAを活用して長期的な資産運用がよりしやすくなったと言えます。
また、非課税期間が無期限になったことから、どの年代からNISAを始めても老後まで貯蓄ができるうえ、始める年代によって投資額を柔軟に選択しやすくなったのも大きなメリットでしょう。
なお、非課税での保有期間が無期限であるため、老後も非課税で運用しつつ、少しずつ資産を取り崩すことができるのも、新NISAの良い点です。
新NISAは、従来のNISAよりも、時間をかけて資産形成ができる制度となっていることから、「長期的に資産運用をしたい」といった方には、お得な制度と言えるでしょう。
新NISAの魅力1位は「非課税保有期間が無期限になる」こと
ウェルスナビ株式会社は、全国の投資意向がある投資初心者・未経験者約2000人を対象に、新NISA(少額投資非課税制度)に関する意識調査を実施しました。
調査概要は下記のとおりです。
- 実施期間:2023年8月10日~8月11日
- 調査対象:全国の20歳代~50歳代。今後の投資意向がある人。投資初心者あるいは投資未経験者(自己認識によって投資上級者を除外)
- 調査方法:インターネットによるアンケート
- 有効回答数:2060人
- リリース公開日:2023年9月1日
上記調査の結果、新NISAの内容で魅力的だと思うものとして、65.2%の人が「非課税保有期間が無期限になる」ことを挙げており、最も多い回答となりました。
次いで多かったものとして44.5%で「年間投資枠が拡大する」、37.0%で「非課税保有限度額が、全体で1800万円になる」となっています。
投資額の上限額が増えることも魅力と感じる人が多い一方で、期間が無期限となることを最大の魅力と感じる人が多いようです。
また、ウェルスナビ株式会社の同調査による「新しいNISAが始まるにあたり、今後どのような取り組み・行動をお考えですか」というアンケートでは、未経験者の約3割が「新しいNISAを活用し、投資を始める」といった意向を示しています。
新NISAでは、より長期的な資産運用がしやすくなったことから、新NISAが始まることをきっかけに何らかの行動を起こしたいと考えている人が多いとうかがえます。
投資の目的として最も多いのは「老後の備え」
ウェルスナビ株式会社の調査によると、8割以上の人が「老後の備え・年金の補完」を目的に投資を行なっている・行おうとしていることがわかりました。
数年前に「老後2000万円問題」が話題となったことから、老後資金を不安視する人が増えており、その影響から老後のために資産運用を始める人が多いのでしょう。
実際、現在の日本の公的年金では年金だけで老後生活をしていくのは難しく、厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」では、100%年金だけで生活している人は、全体の44%と半数にも満たない結果となっています。
半数以上の高齢者世帯は年金だけでは生活できていない現状から、今のうちからお得な制度を利用して資産運用をしていくのは、賢い選択だと言えるでしょう。