4. 国民年金受給額の実態は?20万円以上の割合
では厚生年金に加入していない人の場合、国民年金だけで「20万円以上」というのは可能なのでしょうか。
同資料によると、国民年金の受給額は次のとおりです。
4.1 国民年金の平均受給月額:5万6368円
4.2 国民年金の年金月額階級別受給者数
- 1万円未満:7万27人
- 1万円以上~2万円未満:28万4152人
- 2万円以上~3万円未満:90万3006人
- 3万円以上~4万円未満:274万9550人
- 4万円以上~5万円未満:463万6048人
- 5万円以上~6万円未満:791万730人
- 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
- 7万円以上~:187万2466人
上記より、国民年金だけで月額20万円を目指すのは難しいことがわかります。たとえ2023年度の満額である6万6520円が受給できても、最大75歳まで繰下げ受給して約12万2000円。
国民年金だけという方は、さらに老後対策が必要になりそうです。
5. 年金だけで足りるのか
ここまで厚生年金の受給額について確認を行いました。
厚生年金だけで20万円を超える方は全体で約15%と、ほとんどの方が20万円以下というのが現実です。
退職後は使える時間は増えますが、多くの場合使えるお金が減ってしまいます。もしくは年金だけでは生活に困る方々も出てくるでしょう。
年金だけで足りない場合には準備が必要です。まずはどの程度足りないのかを試算したうえで、足りない金額を埋める方法を考えていきましょう。
準備が必要でもすぐに用意することは難しいですから、時間には余裕も持って対応していきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
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厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
徳原 龍裕