2. 70歳代ひとり世帯の貯蓄分布を円グラフで見る
日本は単独世帯が年々増え、核家族化も進み、そういった面が65歳以上の単独世帯の増加につながっているでしょう。
厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によれば、日本人の平均寿命は男性81.74歳、女性87.57歳(2022年7月29日公表)。
70歳代の場合、それまで未婚や離別・死別でひとりとなった方に加えて、配偶者が亡くなりひとり暮らしになる方が増え始める年代でもあります。
そんな70歳代・単身世帯の貯蓄はいくらあるのか、貯蓄ゼロから3000万円以上まで見ていきましょう。
70歳代ひとり暮らしの貯蓄の平均は1786万円、中央値は800万円。平均は一部の富裕層に影響されるため、中央値が参考になります。
円グラフを見ると貯蓄ゼロが25.1%、つまり4人に1人という現実に驚きを隠せない方もいるのではないでしょうか。
残りの4人に1人は「100万円未満~700万円未満」、もう1人は「700~2000万円未満」、あと1人は「2000~3000万円以上」に分けられます。
趣味や旅行、身内や友人との付き合い、病気や介護、また今回のような物価高にも対応してくれる貯蓄ですが、70歳代では心もとない方が多いと分かりました。
3. 70歳代「ひとり分の年金」も心もとなく。就業状況は?
貯蓄が心もとない方も多い印象でしたが、老後の生活の柱は「公的年金」です。
厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金・国民年金事業の概況」によれば、国民年金と厚生年金の平均月額は以下の通り。
3.1 国民年金の平均月額
全体平均年金月額:5万6252円
- 男性平均年金月額:5万9040円
- 女性平均年金月額:5万4112円
3.2 厚生年金の年金月額
全体平均月額:14万4366円
- 男子平均月額:16万4742円
- 女子平均月額:10万3808円
※国民年金部分も含む
中には遺族年金を受け取る方もいますが、ひとり分の年金で暮らすと考えると生活の厳しさが想像できます。
現代は、働く70歳代も増加しています。厚生労働省「令和4年版高齢社会白書」によれば、働く70歳代の割合は以下の通り。
こちらは70歳代全体になりますが、70歳代前半の32.6%が、75歳以上の10.5%が働いており、70歳代の就業率は年々増加しています。
今後もこの傾向は続くと考えるでしょう。