2023年8月31日、一般社団法人金融先物取引業協会が「四半期統計」(2023年度第1四半期)を公表しました。

本統計資料にはFX(外国為替証拠金取引)の取引データも掲載されています。

今回は前四半期と比較して外国為替市場がどのように変化したかを見ていきましょう。

1. FX(外国為替証拠金取引)の取引金額は13.9ポイント減

2023年4月~6月におけるFX(外国為替証拠金取引)の取引金額は前四半期から13.9ポイント減となる2764兆7893億円となりました。

また、前年同期比(3312兆3365億)との比較では16.53ポイント減となっています。

取引所取引(クリック365)と店頭取引の内訳別では以下の通りです。

  前四半期 当四半期(2023年4月~6月) 増減
東京金融取引所(クリック365) 9兆7039億円 8兆2318億円 ▲15.17%
店頭取引 3201兆3778億円 2756兆5575億円 ▲13.89%
合計 3211兆817億円 2764兆7893億円 ▲13.90%

2. 期末建玉および期末顧客預託金はプラスに

取引金額は前四半期比でマイナスとなったものの、期末建玉および期末顧客預託金はプラスとなっています。

  当四半期(2023年4月~6月) 増減
期末建玉 10兆5792億円 +7.42%
期末顧客預託金 2兆4151億円 +3.38%

FXでは取引約定後、反対売買によって利益を確定します。

2.1 <FX取引の流れイメージ図 ※円とドルを通貨ペアにした場合>

出所:各種資料をもとにLIMO編集部作成

この取引約定後から反対売買までの間の未決済分が建玉です。

また、取引実績口座数も前四半期比で1.01ポイント増加の80万8074口座となっており、取引金額は減ったものの、むしろ外国為替市場はより熱量を帯びている状況であるといえるでしょう。

参考資料

久保田 雅大