2. 富裕層「お金持ちは優良企業の株式」を保有している

もう一つ見逃せないのは、お金持ちは必ず優良企業の株式を持っている、ということです。

株式会社は事業を通じて利益を上げ、その利益をオーナーである株主に還元する仕組みです。

世界規模で事業展開する優良企業であれば、世界中からお金を集めて株主に届ける役割を担っている、と読み替えることもできるでしょう。

お金を持っている人のところにお金が集まる、というのは本当で、実は株式会社をプレーヤーとする資本主義経済の仕組みそのものなのです。

アメリカの経済誌「Forbes(フォーブス)」が世界の長者番付を発表しています。

2023年4月に発表された2023年版で1位になったのは、フランスのベルナール・アルノー氏です。

資産額は2110億ドル(約27兆8500億円)ですからまさにけた違いです。ベルナール・アルノー氏は、高級ブランド品などを扱うLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の会長兼CEOで、大株主です。

2位以下にはテスラやスペースXのイーロン・マスク氏(1800億ドル=約23兆7600億円)、アマゾンのジェフ・ベゾス氏(1140億ドル=約15兆500億円)と続きます。

どんな優良企業でも、社員の立場でこれだけの財産を築くことは不可能でしょう。長者番付に名前の挙がる人は、株主の立場だったからこそこうした富を手に入れたのです。

3. 富裕層「日本のお金持ち」1億円以上の資産家は約2.7%

さて、世界のトップとは水準が異なりますが、日本にもお金持ちはたくさんいます。

野村総合研究所は2023年3月1日、「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」とするレポートを発表しました。

ここでは、世帯の純金融資産保有額1億円以上5億円未満を「富裕層」、5億円以上を「超富裕層」と定義しています。

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満)139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

内訳は富裕層が139万5000世帯、超富裕層が9万世帯。全世帯(5414万4000世帯)に占める割合は約2.7%となります。

40世帯にひとつはこうした「富裕層」ということになりますから、たくさんではないにせよ身近にいたとしても不思議ではありません。