証券取引アプリ「One Tap BUY(ワンタップバイ)」を提供するOne Tap BUYは、2017年11月15日に、既存株主であるソフトバンク、みずほ証券株式会社、モバイル・インターネットキャピタル株式会社に加えて、新たにヤフーを引受先とした第三者割当増資を実施し、総額25億円の資金調達を行ったと発表した。

同社は今回の調達資金を受けて、新サービスに向けたシステム開発や、マーケティング活動、サービスの利便性向上を推進する狙いだ。

ソフトバンクとは、既存サービスとの連携などにより、決済機能などと組み合わせた新サービスを検討し、またみずほ証券およびヤフーとは、顧客紹介などを通じた、双方の顧客基盤拡大に向けた連携について協議していくとのコメント。

同社は、2017年に、日本株の取り扱い開始や、TV-CMなどの広告宣伝活動を積極的に展開した効果などもあり、9月度の月間口座開設数が15,000件と急増し、2017年10月には累計アプリダウンロード数60万件、累計口座開設数が7万件を突破している。

フィンテックに詳しい証券アナリストは次のようにコメントしている。

「株式市場が好調なものの、実態は外国人投資家や日銀が市場動向を左右している。個人投資家は足元では売りに回っており、日本の株式市場の取引者の構成をバランスよくするためにはこれまで投資をしてこなかった層が育っていく必要がある。そうした観点からはスマホユーザーである若い層がどれだけ資産形成に興味を持つかがカギとなるであろう。投資を始める層に銘柄を厳選して届けるサービスというのは投資のハードルを下げるのに一役買う可能性は高い。とはいえ、投資家として成功体験を持てなければ続かないので、良い銘柄に出会える必要があるということは言うまでもない」

「貯蓄から投資」というフレーズはこれまでも繰り返し叫ばれてきたが、今回のワンタップバイのような取り組みで個人投資家層の広がりがあるかどうかに注目していきたい。

LIMO編集部