証券口座を提供する金融機関は、差別化を目的に独自のサービスを展開しています。
そのため、複数の証券口座を利用することで、それぞれの特長や強みを活かした取引や情報収集が可能となるのです。
本記事では、auカブコム証券とマネックス証券の複数持ちについて、そのメリットを紹介していきます。
1. この記事を読んでわかること
- auカブコム証券とは
- マネックス証券とは
- 「auカブコム証券×マネックス証券」複数持ちのメリット
2. auカブコム証券とは
auカブコム証券は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のネット証券です。
SBI証券や楽天証券などとともに主要ネット証券の一角を占め、2023年6月時点で158万2041口座を突破しています。
国内株手数料は1日100万円まで無料で、手数料の割引サービスも充実しています。
2.1 <auカブコム証券の国内株手数料割引サービス例>
- シニア割:50歳以上の方の手数料を2~4%割引
- au割:auユーザーは1%割引(要・会員サイトにてau ID登録)
- au割 +:KDDI(9433)株式の保有株数・保有期間に応じて最大15%割
また、auカブコム証券はPontaポイントユーザーにおすすめです。
投資信託の月間平均保有残高に応じて、最大0.24%のPontaポイントがたまるほか、au PAYカードによる投資信託の積立で購入額の1%がPontaポイントとして還元されます。
また、auカブコム証券のマネーコネクトを利用すれば、auじぶん銀行の金利が100倍の0.1%にアップします。
auマネーコネクトはauじぶん銀行とauカブコム証券の口座を連携することで各種メリットを受けられるサービスです。
2.2 <auマネーコネクトのメリット>
- auじぶん銀行の普通預金金利が100倍(0.1%)
- auカブコム証券口座からの引き落としで株や投資信託を購入する際、不足している資金をauじぶん銀行から自動入金
- auカブコム証券で使用していない資金をauじぶん銀行へ自動出金
普段使わない資金はauじぶん銀行に預けておけるので、お得な優遇金利を最大限活用できるサービスとなっています。
3. マネックス証券とは
マネックス証券もSBIや楽天とならんで大手ネット証券の一角を占める証券会社です。
日本株の手数料は1日100万円までなら550円、外国株は米国と中国の2カ国をカバーしています。
また、投資信託のラインナップは1408本、つみたてNISA対象商品の取扱い数は177本です。
投資信託のつみたて投資をマネックスカード決済にすることで、購入額の1.1%がマネックスポイントで還元されるほか、投資信託の月間保有残高に応じて毎月最大0.08%のポイント還元を受けられます。
また、新規上場銘柄に投資できるIPO投資の抽選は完全平等。
取引実績や過去の申し込み回数を考慮することがない分、投資初心者でもIPO投資に参加しやすいしくみを採用しています。
マネックス証券の新規公開株(IPO)/公募・売出株式(PO)の抽選においては、コンピューターで無作為に抽選を行っています。この過程はシステム化されており、人間の恣意が途中で関与することはありません。
出所:マネックス証券「抽選方法」
各種ツールも独自のものを提供しており、日本株銘柄分析ツールである「マネックス銘柄スカウター」は高い評価を得ています。
4. auカブコム証券とマネックス証券の複数持ちのメリット
ここでauカブコム証券とマネックス証券の主なスペックや独自サービスを比較してみましょう。
auカブコム証券 | マネックス証券 | |
国内株取引手数料(1日あたり) | 100万円まで0円 | 100万円まで550円 |
外国株取扱範囲 | 米国 | 米国、中国 |
IPO取扱数(2022年実績) | 23銘柄 | 62銘柄 |
投資信託本数 | 1667本 | 1408本 |
つみたてNISA商品数 | 200本(2023年9月時点) | 177本 |
ポイント投資 |
|
|
投信保有残高に応じたポイント還元(毎月) | 最大0.24%(Pontaポイント) | 最大0.08%(マネックスポイント) |
クレジットカード決済の還元率(投資信託の積立投資) | 1%(Pontaポイント)※au PAYカードの場合 | 1.1%(マネックスポイント)※マネックスカードの場合 |
独自サービス |
|
|
※2023年9月5日時点
このように、auカブコム証券とマネックス証券では、それぞれ強みが異なります。
auカブコム証券は、国内株の取引手数料や投資信託のラインナップがマネックス証券よりもすぐれており、マネックス証券はIPO銘柄の取扱数でauカブコム証券を圧倒しています。
また、auカブコム証券では取り扱いのない中国株を購入できる点も、マネックス証券のメリットといえるでしょう。
国内株や投資信託の取引はauカブコム、IPO投資や中国株の購入はマネックスといった使い分けをすることで、よりお得かつ効率的な投資ができることがわかります。
auカブコム証券、マネックス証券いずれも口座開設および維持にかかる手数料は無料です。
余力があれば、ぜひ両口座の複数持ちを試してみると良いでしょう。
参考資料
6. まとめ
- auカブコム証券はマネックス証券よりも国内株取引手数料が安く、投資信託のラインナップも充実している
- 一方、マネックス証券はIPO投資、中国株、独自ツールなどに強み
- 両口座を併用することでお得かつ効率的な投資が可能になる
MeChoice編集部