2023年8月26日にログミーFinance主催で行われた、第60回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナーの第1部・株式会社ブランジスタの講演の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ブランジスタ 代表取締役社長 岩本恵了 氏
元・ファンドマネージャー/元・ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
経済アナリスト/経営コンサルタント 増井麻里子 氏

会社概要

岩本恵了氏(以下、岩本):ブランジスタの岩本です。本日はよろしくお願いします。さっそくですが、資料に基づいて当社の事業内容をご説明します。

まず、会社概要です。設立は2000年11月で、インターネット業界で23年間ビジネスを行っています。決算月は9月で、現在、最終四半期である第4四半期、今期末の締めくくりに向かっているところです。役員構成、株主構成、当社連結子会社についてはスライドに記載のとおりです。

沿革

岩本:当社の沿革です。2005年に現在のソリューション事業のメインのサービスとなっているECサポートを開始しました。2007年には、メディア事業で当社の初の電子雑誌である『旅色』という旅行雑誌を創刊しています。

2015年9月に東証マザーズ(現グロース)に上場し、「アクセルジャパン」という新しいサービスを今期からスタートしました。後ほど詳しくご説明しますが、今期は創業来最高の業績を達成する見込みです。

ブランジスタグループについて

岩本:ブランジスタグループについてご説明します。「アクセルジャパン」を展開しているブランジスタエール、電子雑誌を制作・発行し、広告掲載や電子雑誌の制作受託といったサービスを提供しているブランジスタメディア、EC・通販企業の支援を中心としたサービスを展開しているブランジスタソリューション、台湾の子会社であるブランジスタ台湾、ニュースメディアを展開しているクラウドラボの5社で構成しています。

本日は、スライドに赤色で網掛けした、ブランジスタエールが展開している「アクセルジャパン」と、電子雑誌のブランジスタメディアを中心にご説明します。

FY2023/9 3Q連結決算ハイライト

岩本:最初に足元の決算状況についてご説明し、その後、各サービスについてご説明します。6月に締めた第3四半期については「アクセルジャパン」の契約社数が順調に増加し、売上・利益の拡大をけん引しました。

スライドの表の左側は昨年の第3四半期累計、その右側は今期の累計です。営業利益率は8.8パーセントから13.9パーセントに上昇しました。「アクセルジャパン」の売上・利益が大きく貢献していると考えており、順調に業績を積み上げてきています。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):非常に好調な業績であるとお話しいただきました。前期比40パーセントを超える増収ということで、こちらもほとんどが「アクセルジャパン」の好影響が反映されているということでしょうか?

岩本:そのとおりです。「アクセルジャパン」が業績を強くけん引したことは間違いありません。

連結売上高・営業利益の四半期推移

岩本:連結売上高・営業利益の四半期推移で、昨年の第3四半期との比較です。スライドのグラフのとおり、業績が非常に伸びました。

セグメント別累計売上高・営業利益

岩本:プロモーション支援事業からその他の事業の4つの区分でセグメントの売上高と営業利益を今期と前期で記載しています。

ポイントは、今期から既存事業であるメディア事業やソリューション事業からプロモーション支援事業へ営業人員を一部移していますが、人員を移してもメディア事業とソリューション事業は昨年と比較して同等か伸びています。

そのため、今期から開始した新サービスであるプロモーション支援事業の売上と利益がそのままアドオンされているかたちで、グループ全体の業績が向上しました。プロモーション支援事業は効率的に営業稼働ができているため、売上・利益ともに貢献できたと考えています。

FY2023/9 上方修正を発表

岩本:第3四半期までの業績を加味し、通期業績予想の上方修正を発表しています。創業来最高の売上と営業利益を達成する見込みです。営業利益に関しては、従来の4億円の予想から1.5倍の6億円、前期比2.3倍以上に大幅増加する見込みです。しっかりと達成して来期に向かっていきたいと思います。

FY2023/9 通期連結業績予想(前期比)

岩本:上方修正の予想値を前期と比較したグラフです。コロナ禍によって影響を受けた一部の事業についても、市場環境の回復がどんどん行われています。また、プロモーション支援事業の「アクセルジャパン」の業績が非常に伸びていることで、さらなる拡大が見込まれます。

通期連結売上高の推移

岩本:連結売上高の推移です。2020年に新型コロナウイルス拡大の影響で一時的に影響がありましたが、翌年から本来の成長軌道に乗っています。

2023年9月期第3四半期 プロモーション支援事業売上高・セグメント利益

岩本:プロモーション支援事業についてご説明します。まず、第3四半期までの推移です。四半期ごとに伸び続けており、営業利益率も高い水準で推移しています。

販管費については、人件費と問い合わせをいただくために実施しているプロモーション費用のみです。これが効率的な営業稼働と高い利益率がキープできている要因かと思います。こちらをどんどん伸ばしていきます。

2022年10月、今期のスタートと同時に開始した新事業

岩本:「アクセルジャパン」の概要です。テレビで見ない日はないくらいのさまざまな著名なタレントを使い、企業の販売促進・PR・ブランディングを最大化するサービスです。このような方々の写真・動画の素材を定額制でお貸しするサービスで、汎用性の高いカットをさまざまなシーンでご利用いただけます。

タレントを起用した企業のプロモーションについて

岩本:タレントを起用した企業のプロモーションについて、テレビやポスターなど、さまざまなシーンにタレントを起用できる資本力のある大企業は、わずか0.3パーセントです。99.7パーセントの成長企業、いわゆる中小企業は資金に限りがあり、タレントを起用しづらいという現実があります。

これまでのキャスティング

岩本:キャスティングに関しても当然、高額なギャランティがかかります。タレントによっては数千万円かかるギャランティを払い、ご出演いただく流れが通常でした。

これまでのタレントを起用する広告とは全く異なる初期費用0円・月々定額の新しいモデル

岩本:企業とタレントの間に「アクセルジャパン」が入り、タレントにかかるギャランティや、継続契約のギャランティを我々が企業に代わってお支払いします。その代わりに、導入いただく企業には毎月定額をお支払いいただくことで、タレントの肖像等をお使いいただけます。初期費用は無料です。

そのようなかたちで、定額制でプロモーションを最大化でき、またタレントが企業を応援できるということで、このサービスをスタートさせました。

坂本:昔からタレントと企業との契約は年契と呼ばれる、契約している期間は同業他社のCMには出られないというものがあります。最近の「リポビタンD」の一件で三浦知良選手がサントリー系のCMに出て裁判まで発展し、企業が苦言を呈しているというのは、業界で年契の考え方がまだ残っているためだと思います。

御社のサービスは、同業他社のCMにも出られる契約になっているのでしょうか?

岩本:まれにですが、タレントによっては「この業種・業態は出られません」と前もって契約書に書かれています。

坂本:「それ以外は同業他社でも良いですよ」というかたちになっているのですか?

岩本:そのとおりです。例えば、ある町にある不動産屋が我々のサービスを導入してヒロミさんの画像を使った時、となりの不動産屋にもまったく同じものがあるというのはお互いにとってよろしくないため、そこはある一定の範囲をきちんと決めてバッティングしないように営業稼働しています。

坂本:御社がきれいに整備しているということですか?

岩本:おっしゃるとおりです。

充実したラインナップのアンバサダー

岩本:アンバサダーのラインナップです。幅広い企業をカバーできるアンバサダーが全国の企業PRを支援しています。

坂本:非常にたくさんの方が出演されており、前回より少し増えたと感じます。

岩本:そのとおりです。

坂本:これからどのくらいまで増やす予定ですか?

岩本:さまざまな営業施策によって、タイミングをみて増やしていくかたちになるかと思いますが、今後ニーズが上がってくれば、どんどん増やせる環境が我々にはあります。電子雑誌で各芸能プロダクションのパイプが構築できていますので、タレントを起用しやすい環境にあります。

坂本:利用している企業から、「この人を使いたい」などのリクエストはあるのですか?

岩本:「このような方」というイメージの部分等をお聞きすることはあります。

坂本:それは事務所とタレントがお話を受けるか受けないかというお話ですね。

岩本:そのとおりです。

坂本:御社がアンバサダーを選ばれる基準について、事務所から要望が上がってくるものもあるかもしれませんが、もう少し教えてください。

岩本:メディアの露出度や認知度が高いことは当然ですが、細かい部分では、例えば「この業種はNGです」というタレントがいたとすれば、NGにしていないタレントもいます。そうすると、提案する市場、企業の幅が広がっていきます。

そのように、「この業種は大丈夫です」「じゃあお願いします」という増やし方もあり、純粋に同じタレントがかぶらないように分散させるという意味合いもあります。

坂本:それによって契約した企業が使いやすいタレントが増えてきて、利用価値も上がってくるというかたちですね。

岩本:おっしゃるとおりです。

アクセルジャパンアンバサダーの写真素材例(ヒロミさん)

岩本:写真素材の例です。スライドにはヒロミさんを掲載しています。スーツを着たり、カジュアルな格好をしたり、顔は写真で体はイラストのものなど、さまざまなカットが60カット使い放題です。

坂本:ヒロミさんは現状60カットということですか?

岩本:いいえ、みなさま60カットくらいです。

坂本:ヒロミさんが有名だからたくさんあるわけではないのですか?

岩本:そうではありません。板野友美さんも鈴木杏樹さんも60カットほどです。

タレント肖像利用イメージ(企業ホームページ)

岩本:タレント肖像利用のイメージです。企業のホームページですが、利用前と利用後で完全に違うサイトに生まれ変わるほどのインパクトがあります。強力なアイキャッチにつながっているかと思います。

ホームページというのは、中にいろいろなコンテンツが眠っており、ここに訪れた方にそれらをしっかり見ていただける効果にもつながっています。さまざまな効果が実証されていますので、さらにいろいろなかたちで使っていただけるように取り組んでいきたいと思います。

さまざまなシチュエーションで活用

岩本:Webだけではなく、紙媒体のチラシ、バナー、動画など、さまざまなシーンにおいて使っていただけます。スライドに「タレントパワーで注目度が劇的にUP」と記載していますが、大企業が高いお金を払ってタレントを起用するわけですから、当然の効果が出るということです。

動画素材利用イメージ

岩本:動画素材利用のイメージです。動画の開始時と終了時にタレントが出てくるシーンがあり、その間に企業がお持ちの動画をインサートします。例えば、ヒロミさんから始まって企業の動画が流れ、最後にまたヒロミさんが出てくるという1つの動画が出来上がります。

岩本:今日は実際の動画のサンプルをいくつかお持ちしましたので、ご覧いただきたいと思います。

動画活用事例 映像広告編

岩本:ご覧いただいたように、最初と最後にタレントが出てきます。これは事前に収録した素材を使っていますが、あたかも本当にタレントが企業を応援しているようなCMに仕上げることができます。

素材は複数のパターンがあり、それをうまく使って編集していただきます。これらはCMのために撮影したものではなく、すでに撮影済みの素材を使った動画ということです。

坂本:これを見ると、最初から最後まで本当にタレントが出ているように見えます。最初のアイキャッチや、冒頭と最後の部分に固定でお話ししている部分がありますが、これはその企業のために作ったものではなく、すでに格納されている素材を使って作ったということですね。

岩本:素材は20パターンほどあり、CMの内容によって変えることができます。

坂本:始まりと終わりの両方に入れることにより、本当に出演されているような見せ方ができるのですね。最後の「BODY ARCHI(ボディアーキ)」はネクシィーズグループのセルフエステの事業ですね。

岩本:スライドの右上に「お申し込みはこちらへ」と記載したヒロミさんの動画イメージ図があります。「YOMiTA!」という文字がありますが、例えばこの部分を自由に変更することもできます。

坂本:もともとある企業動画の背景などを、(アクセルジャパンの動画)素材に似せて後から作っても、連結させると本当にそのために作ったように見えるのですね。非常に使い勝手が良いですし、おもしろいと思います。今までになかったサービスだと思いました。

岩本:「YouTube」のCMやテレビショッピングのCMで使っている企業もあります。今後もさらに広めていきたいと考えています。

アクセルジャパン・動画の優位性について

岩本:動画の優位性についてです。「アクセルジャパン」と同じようなサービスを行っている企業はありますが、動画を提供するサービスを展開している企業は多くありません。

しかし、スライドのグラフをご覧いただくとおわかりのとおり、動画広告市場は年々拡大しています。今後、動画CMは企業のブランディング・PRには欠かせなくなると思っていますので、しっかり対応していきたいと思います。

ヒロミさんが全国で中小企業施策をPR

岩本:ここからは導入事例についてお話しします。まず、経済産業省の中小企業庁に採用していただきました。中小企業庁は、さまざまな中小企業の支援を行っています。Webサイトやチラシ等を含め、当社の動画や写真素材をプロモーションにご活用いただきました。

国の機関が当社のサービスを利用いただいているということで、営業稼働が非常に行いやすくなったと思っています。

大企業での採用もスタート①

岩本:当社は中小企業や成長企業を念頭にサービスを構築してきましたが、大企業に採用していただいた事例もご紹介します。

スライドに「サントリー×セブン-イレブン」と記載していますが、全国に約2万店舗ある「セブン-イレブン」の店頭やWebサイトで、セブン-イレブン限定で販売しているサントリーの商品をPRするツールとして鈴木杏樹さんを起用していただきました。どこにでもある全国の「セブン-イレブン」でPOPなどが掲示されているため、アクセルジャパンの認知度の向上につながったと思っています。

大企業での採用もスタート②

岩本:飲食店の「カフェ・ベローチェ」のご紹介です。全国約150店舗の店頭にあるPRツールに板野友美さんが登場しています。

先ほどお話ししたとおり、一般の方々が目に触れる場所でサービスが拡大しているため、営業稼働が非常に行いやすくなったと思っています。

坂本:御社は当初、中小企業をターゲットにしており、安価な月額料金でタレントを起用できるサービスだったと思います。

「セブン-イレブン」は約2万店舗、「カフェ・ベローチェ」は約150店舗ありますが、大企業が利用する場合も中小企業と同じ料金テーブルなのでしょうか? 店舗数が多いとお得だと思いますが、価格に差があるのかを教えてください。

岩本:基本的に価格差はありません。中小企業も大企業も同じ料金テーブルです。また、今回はセブン-イレブンとの契約ではなく、サントリーとの契約になります。

1つのサービスパッケージの中で、一定の利用範囲を超えると追加料金をいただくオプションプランがいくつかあります。

坂本:それが採用されて、このようなかたちになっているケースもあるのですね。このようなキャンペーンを行う時は、オプションプランを使わなければできないかもしれませんね。

岩本:その可能性もありますが、今回のケースについては該当していません。

坂本:そうなのですね。企業CMだけではなく、大企業のキャンペーンなどに使われることが増えそうですね。

岩本:スポットごとに、この商品はこのタレントを、このキャンペーン期間はこのタレントを使いたいというニーズは今後出てくると思っています。

坂本:相当ありそうな気がします。これまでは一つひとつの商品にタレントを合わせて連携することが基本だったと思います。非常におもしろいなと思いました。

岩本:我々は、今後このサービスが拡大すると思いながら展開しています。

当社のアドバンテージとポテンシャル①

岩本:ここからは、当社ならではのアドバンテージとポテンシャルについてご説明します。1つ目は、営業力です。全国8拠点を活用し、全国各地へアプローチできる営業網を持っていることが大きいと思っています。プッシュ型の提案ノウハウにより、さまざまな営業商材を販売してきたため、これらを活用して「アクセルジャパン」を拡販していきたいと思っています。

当社のアドバンテージとポテンシャル②

岩本:2つ目は、キャスティングです。スライドの左側の画像は16年前に始めた電子雑誌です。これらの雑誌には、テレビや映画の主役を担う300名ほどの俳優に出演していただきました。このような方々やその事務所とのつながりがあるため、キャスティングを行いやすい環境が整っています。

3つ目は、クリエイティブノウハウです。先ほど動画をご覧いただきましたが、当社には編集スタッフが50名以上在籍しています。

社内でいろいろな検証を行いながらノウハウを構築しているため、効果的な見せ方や、たくさんの方にご覧いただけるような映像を作ることが可能です。キャスティングから制作までワンストップで行える体制は非常に強みだと思っています。

アクセルジャパン優位性

岩本:当社の優位性のまとめです。営業力・キャスティング力・クリエイティブ力を、ワンストップで完結できるところが非常に優位だと思っています。

大手広告代理店での販売を開始

岩本:これからの展開について、まず大手広告代理店での販売を開始しました。スライドに記載の大手・中堅の広告代理店とパートナーシップを結び、当社がアプローチする企業だけではなく、広告代理店のクライアント企業にも「アクセルジャパン」を提案していただき、サービス導入件数を増やすために動いています。

坂本:大手・中堅の広告代理店のクライアント企業が広告戦略を行う時に、「このキャンペーンは『アクセルジャパン』を使えばコスト的にも問題ない」ということでつないでいただくことができると、営業の手間を省くことができるということですね。

岩本:おっしゃるとおりです。非常にわかりやすい商材のため、代理店展開も十分可能だと考えています。

アクセルジャパンの拡大に向けて

岩本:プッシュ型の営業を強化し、人員を増やしていきます。今はいろいろな施策のもと、展開を考えているところです。

市場規模は全国200万社と非常に広いです。営業スタッフを増やせば増やすほど、売上に貢献する流れができると思っています。他事業からの異動もありますし、中途・新卒で営業スタッフを採用することも考えています。営業の稼働を増やし、さらなる成長を目指していきます。代理店と自社営業スタッフを強化する2軸を強化したいと思っています。

2023年10月~アクセルジャパン2年目へ

岩本:「アクセルジャパン」は今期にスタートしたサービスですので、10月から2年目に突入します。新規でお申し込みいただいた企業は2年目となり契約更新を迎えます。ですので、新規契約に加えて更新契約がどんどん積み上がっていきます。2年目にサービスを導入していただいた企業は、3年目に更新を迎えます。新規と更新の両輪で売上を積み上げていきたいと思っています。

坂本:1年使ってみて、「このPRにも使えるかもしれない」ということで企業がいろいろと展開していくと、かなり高い確率で更新されますよね。

岩本:おっしゃるとおりです。更新率を上げていくのも大きな営業戦略だと思っています。

顧客満足度向上のために

岩本:サービス導入当初から顧客満足を上げるカスタマーサクセスの部署を作り、展開しています。スライドに「他社活用事例の共有」と記載していますが、成功を収め、売上が非常に伸びている企業の活用事例をお伝えしています。

また、ご利用いただいている企業から「社内では制作物が作れない」とご相談をいただくケースがあります。このような場合は、料金をいただき、我々が代行して制作物を作成しています。

導入していただいたからには、効果も出していただきたいと思っています。これらの対応により満足度が上がり、契約更新率にも跳ね返ってくると思っています。

2023年9月期第3四半期メディア事業売上高・セグメント利益

岩本:電子雑誌を展開しているメディア事業について、ご説明します。まず、メディア事業の四半期の推移です。

冒頭で少しお話ししましたが、「アクセルジャパン」に営業人員を数十名シフトしています。それにもかかわらず売上と利益は伸びており、コロナ禍の市場環境から回復してきたと感じています。

電子雑誌ラインナップ

岩本:電子雑誌のラインナップです。創刊16年目を迎えた『旅色』は観光雑誌で、企業タイアップ版では星野リゾート等とコラボレーションする別冊の『旅色』もあります。

後ほどご説明しますが、その他に自治体とのタイアップ誌や、別冊版『旅色』で言語の異なる海外向けも展開しています。

また、「楽天市場」とご一緒している創刊12年目の『GOODA』という男性ファッション誌も制作しています。さらに「LIFULL HOME’S」と制作している暮らしの雑誌『マドリーム』など、さまざまな雑誌を発行していますが、本日は『旅色』についてお話しします。

電子雑誌ビジネスモデル

岩本:電子雑誌のビジネスモデルについてご説明します。『旅色』を含め、当社の電子雑誌はすべて無料で閲覧できるため、収益の柱は広告売上と制作売上です。

広告売上は電子雑誌の売上の8割を占めています。この広告は、民間と自治体の2つに分かれています。民間の広告は月2万円から3万円ほどの料金で、年間あるいは2年契約です。自治体との取り組みに関しては、1冊丸ごと自治体専用の電子雑誌を作るため、年間1,000万円ほどです。

また、企業が電子雑誌をオウンドメディアとして使いたいという場合は、当社が制作して納品しています。

自治体PR用電子雑誌「旅色」別冊活用例

岩本:自治体との取り組みについてです。こちらは非常に伸びています。俳優をタイアップ先の現地に1泊2日でお連れし、観光ルートやふるさと納税の返礼品にもつながるような特産品・名産品をご紹介します。また、自治体によっては人口がどんどん減っているということもありますので、俳優を活用して地域の魅力を伝える、移住・定住につながるプロモーションのお手伝いもしています。

電子雑誌が中心ではありますが、電子雑誌を紙冊子にするオプションもあり、動画も作ることができるため、活用していただく事例が増えてきました。

自治体タイアップ契約額・公開数推移

岩本:タイアップの契約額・公開数の推移です。年々増加を続けています。今期もすでに前期の実績を上回っていますが、こちらは第3四半期までの数字のため、さらに伸び続ける予定です。

2023年9月期自治体タイアップ41自治体公開予定

岩本:今期電子雑誌を公開する自治体名です。複数回や連続で利用していただくことも増えてきているため、リピート率をどんどん上げていく施策も同時に打っていきたいと思います。

坂本:自治体は全国津々浦々ありますが、営業はどのように行っているのかを教えてください。

岩本:自治体に一件一件アポイントをとりにいく、いわゆるプッシュ型の営業です。全国に1,700市町村以上の自治体がありますが、1,000市町村を超える自治体とのパイプができています。この4年、5年で非常に強い関係性が構築できたと思います。

坂本:これからニーズも高まってくると思いますが、制作のキャパシティはまだありますか?

岩本:まったく問題ありません。

坂本:トップラインが増えれば、また増えるということですね。

岩本:おっしゃるとおりです。

和歌山県 湯浅町3回目の実施、台湾でのPRを展開

岩本:和歌山県湯浅町は3回目の実施で、こちらの自治体はインバウンドを非常に意識されています。

台湾には、日本で言う高速道路のサービスエリアのような「清水(チンスイ)サービスエリア」があり、日本のNEXCO中日本と中日本エクシスが運営しています。こちらと提携し、当社が作る1冊丸ごと湯浅町をPRする電子雑誌に組み込まれている、言語を繁体字に翻訳した動画が放映されます。翻訳した紙冊子もサービスエリアで配る予定です。

坂本:日本観光物産館がサービスエリアの中にありますが、そこに御社の冊子が入るのですね。

岩本:おっしゃるとおりです。民間企業だけでなく、自治体も非常にインバウンドを意識されています。

積み上がる当社実績から誕生する新事業

岩本:当社はインターネットを活用した企業支援を2000年にスタートし、いろいろな商材を取り扱う中で、全国規模の自社営業組織を作り上げてきました。

タレントを起用したさまざまなコンテンツを電子雑誌で展開したことにより、今回の「アクセルジャパン」につながりました。地方自治体をはじめ、中小企業やEC事業者の支援、そしてパートナーを強化することにより地方活性化に貢献し、さらに伸ばしていきます。また、今後もさまざまなサービスを作っていきたいと思っています。

2025年9月期までの売上高・営業利益計画

岩本:最後に、2022年12月に公表した3ヶ年計画についてですが、赤枠で今期の業績予想を記載しています。年末までにローリングしたものを公開できればと考えており、現在精査中です。

坂本:ほぼ達成に近いところになっていますね。

質疑応答:今期・来期の不安要素について

坂本:今、御社は非常に伸びている状況です。現在の「アクセルジャパン」の利益率であればこのまま業績が伸びていくと思いますが、今期・来期で社内外の環境で不安な面はありますか?

例えば、「アクセルジャパン」をさらに伸ばしていくために広告をさらに増加させますので、一度業績が沈むかもしれないという不安が投資家にあると思います。今株価が先行している部分、成長のせいだと思っているのですが、その先まで考えて伸びると思っている方が、少し躓いてしまうことがあるかもしれません。

私は売上が伸びていれば将来的に改善すればよいと思っていますが、最近は四半期決算で売買する人が多いため、短期的な沈みを嫌がる投資家が非常に多いです。ですので、今期・来期の不安要素と投資要素があれば投資家もイメージが湧くと思いますので、お願いします。

岩本:不安要素はそこまで多くないと思っています。例えば、タレントのキャスティングも順調にできると考えており、コロナ禍もある程度収束したことも含めて市場環境も良いと思っていますので、特段ここでお話しするような不安要素はないと思います。

また、大きな投資については、実はこの1年間で広告を含めていろいろなことを行い、試行錯誤を繰り返してきました。断言はできませんが、今のところ大きな投資の予定はありません。

坂本:無駄な広告費をかける必要がなくなるため、少ない広告費だけでもけっこうな効果が出せるということですね。

岩本:そのとおりです。

また、会社がグループとして非常にうまくいっているという前提の話としては、今期営業人員をメディア事業やソリューション事業から「アクセルジャパン」の事業に異動させました。これからももっと異動させるということになれば、これは、「アクセルジャパン」がうまくいっていることを意味します。

ですので、多少メディア事業やソリューション事業の数字が下がる可能性はゼロではなく、セグメント別の売上の変動は多少あるかもしれませんが、全体としては業績が上がっているため異動させることはあります。

坂本:人員が増えれば売上も伸びますよね。

親会社のネクシィーズグループは、どちらかというとプッシュ型で訪問営業する部隊がけっこうあると思いますが、提携や相互の紹介など現状の取り組みはありますか? エアコンやLEDのビジネスもありましたね。

岩本:もちろんあります。「このようなクライアントがいるから話してみて」という話があったり、その逆もあったりします。これからも、もっと強化していけるとも思います。

質疑応答:今後の配当方針と直近の予定について

増井麻里子氏(以下、増井):「今後の配当方針と直近の予定を教えてください」というご質問です。

岩本:配当に関しては現在予定していませんが、随時検討していきます。今期は「アクセルジャパン」がスタートしたことも含め、まだ資金をそちらに使っていかなくてはいけません。もちろん配当は検討していきますが、事業に資金を使うことにより業績が伸び、それによって市場の評価をいただくのが一番だと思っています。

質疑応答:「アクセルジャパン」のキャスティングについて

坂本:「『アクセルジャパン』についておうかがいします。ヒロミさんも板野友美さんも認知度が高いタレントです。ヒロミさんくらいのビッグネームをさらに増やしていく予定はあるのでしょうか?」というご質問です。

ヒロミさんを起用する方は多いですよね。展示会が復活していますが、ヒロミさんの写真素材がたくさん使われています。「あれは御社のものだな」と思って見ていますが、そのあたりも教えてください。

岩本:もちろん認知度の非常に高いタレントや俳優の方々も随時キャスティングしていく方針です。

また、さまざまな戦略に応じてタレントをキャスティングしていきます。今までは、サービスをスタートした時は、まずキャスティングが決まってから「このような営業ですね」と提案してきました。

しかし今からは、企業に「このような提案をしたい」という市場の可能性をもとにキャスティングします。例えば「この提案をしたいのであれば、この人だね」という方法も考えています。

坂本:芸能人だけではなく、スポーツ選手や文化人などをピンポイントで使いたい会社もあると思います。そのような方々もキャスティングしていくのか、現状と未来を教えてください。

岩本:元アスリートや文化人の方々も、今後の可能性としては十分あると思います。

坂本:現状は芸能人の方が主流でしょうか?

岩本:そうですね。やはりメディア露出している方は認知度が高いため、アスリートの方も候補として十分に上がってきます。

坂本:認知度が勝手に向上する部分もありますし、タレント側も助かりますね。

岩本:企業との直接契約はCM期間が終われば契約は終了しますが、我々の場合はタレントと契約した後も継続的にギャランティをお支払いすることもありますし、認知度も上がるため、喜んでいただけていると思います。

質疑応答:「アクセルジャパン」の利用企業の審査について

坂本:「不祥事は仕方ないと思いますが、もともと社会的に良くないことを行っていたような企業が契約する可能性もあると思いますが、利用規約の部分で、きちんとブロックできていますか?」というご質問です。

岩本:当社もタレント事務所も、与信管理は審査を含めて十分に行っています。

坂本:よくある反社チェックなども行っているのですね。

岩本:そのとおりです。それ以外の部分で何かあった場合は当然リスクが残りますが、迅速に対応していきます。

質疑応答:プッシュ型営業の秘訣と地域活性化について

増井:自治体とのタイアップが年々増えていますが、人員を減らしても増加していくと感じています。プッシュ型営業の秘訣を教えてください。また、地域活性化はどのようなことで貢献できるのでしょうか?

岩本:当社が地方に実際にお連れするタレントや俳優は、CMなどのギャランティだけでも数千万円の方が多くいます。そのような方々を自治体が現地へ呼ぶということは、容易ではありません。その地方のご出身の方で観光大使のような方はいるかもしれませんが、当社は縁もゆかりもない方をお連れしてPRに活用することができますので、非常に喜んでいただけます。

プロモーションにおいては、プレスリリースをすると150社ほどのメディアに取り上げられます。自治体と俳優が地方をPRしているという内容が出ますので、そのようなPRは、当然地方の活性化にもつながっていくものだと思っています。例えば「九州の方が、北海道の知らない自治体のことを目にする」など、自治体のPRによって地域活性化に貢献できていると考えて展開しています。

増井:やはりタレントの効果は大きいですね。

岩本:先ほどのアイキャッチなども含めて、効果は非常に大きいです。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:中国の景気減速懸念からの影響はなにかありそうですか?

回答:大きな影響はないと考えています。

<質問2>

質問:タレントを起用することで、その企業にどのくらいの利益をもたらすものなのでしょうか? 分野別でもかまいませんので、イメージを教えてください。

回答:「アクセルジャパン」導入後は「広告を見た方からの問い合わせが増加した」「採用活動において、応募者の志望度が上がった」など、お喜びの声をいただいています。

<質問3>

質問:「アクセルジャパン」について、タレントを掲載する時に、「アクセルジャパンアンバサダー」と記載しなければいけないルールですが、使う側としてはこちらがなければより使いやすいと考えています。外してもOKとルールを変更する予定はありますか?

回答:現在のところ、外してもよいルールに変更する予定はありません。「アクセルジャパン」は、アンバサダーの素材を複数の企業で使用する仕組みであり、それにより低価格を実現し、企業の成長を応援するプロジェクトです。アンバサダーはその趣旨に賛同し、ご参加いただいていますので、参画企業には「アクセルジャパンアンバサダー+タレント名」の表記をお願いしています。

<質問4>

質問:「アクセルジャパン」はタレントの素材のみを提供するサービスですが、ライブコマースなど他の用途へも、価格を上げて提供するといったサービスの多様化は検討されているでしょうか?

回答:「アクセルジャパン」は素材提供のみならず、導入後のサポート体制もご用意しています。また、オプションで広告物の制作やキャンペーンイベントへのキャスティングなども可能です。さらに、日本最大級の経営者交流団体であるパッションリーダーズと連携し、経営者としての知識やノウハウ、人脈を強化する経営者の学びと交流の場を提供しており、サービスの多様化を行っています。

今後も参画企業にご満足いただけるよう、サービス価値向上の施策については検討を続けてまいります。

<質問5>

質問:株価に割安さを感じられないのですが、投資を呼び込むための秘策などはなにか考えていらっしゃいますか?

回答:今期から開始した「アクセルジャパン」のように、新サービスを展開して事業規模を拡大することで業績も拡大しています。そのほか、個人投資家説明会の実施や機関投資家とのご面談などを行っています。

<質問6>

質問:自社営業スタッフはどのくらい増やす予定なのでしょうか? また、人材確保は順調にいくのでしょうか?

回答:毎年新卒採用を行っており、40名ほどが入社しています。また、中途採用も適宜行い、プロモーション支援事業、メディア事業、ソリューション事業の人材確保に努めています。

<質問7>

質問:「アクセルジャパン」を利用している企業はどのような業種が多いのか、また現在引き合いが多いのはどのような業種なのか教えてください。

回答:目立った偏りはなく、幅広くさまざまな業種にご活用いただいています。

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