アストンマーティン・ヴァルカンの価格は200万ドル

アストンマーティンといえば、007映画のボンドカーというイメージを持っている人も多いはず。筆者も、3作目にあたる『ゴールドフィンガー』で初登場した、アストンマーティン・DB5の秘密兵器に釘付けになった。途中、アストンマーティンではない自動車メーカーの作品もあり、日本車では唯一『007は2度死ぬ』で、オープンカー仕様のトヨタ2000GTが登場している。

ちょっと話がそれたが、超高級車の象徴でもあるアストンマーティン。それも世界限定24台しかない希少なアストンマーティン・ヴァルカンが、代々木公園のけやき並木で開催されている「SIBUYA SPORTS CAR FES 2017」で展示されているのだから、007ファンや自動車ファンだけでなくとも気になるはず。

巨大なリアウイングとリアアンダーディフューザーが特徴的

アストンマーティン・ヴァルカンは、2015年に開催された「第85回ジュネーブ国際モーターショー」でワールドプレミアされている。アストンマーティンの最高経営責任者(CEO)は、このヴァルカンについて「ウルトラハイ・ラグジュアリースーパーカー・クラスに、新たな基準を打ち立てると考えている」と述べているのだが、すごすぎるワードが列挙されていて、既存の概念ではカテゴライズできない車なのがわかる。

それもそのはずで、価格は200万ドル。日本円にすると約2億2000万円と高額なのだが、瞬く間に完売していることにも驚く。富裕層だけでなく、投機目的での購入者もいて、販売価格を大きく上回る340万ドルの値が付けられて実際に販売されている。

東アジアではこの1台のみのサーキット専用マシン

オールカーボンの軽量なボディ

SPEC
サイズ(全長×全幅×全高):4,750mm×2,200mm×1,120mm
ホイールベース:2,791mm
車重:1,350kg
エンジン:V型直列12気筒7.0L
ミッション:6速シーケンシャル
駆動:FR
最高出力:811ps
最高速度:320km/h
サスペンション:プッシュロッド式
タイヤ:F305/30R19 R345/30R19

エンジンは自然吸気のV型直列12気筒7.0Lで811psを発生

 

タイヤはミシュランでサイズはフロント305/30R19、リア345/30R19

アストンマーティン・ヴァルカンは、公道走行ができないサーキット専用マシンだ。東アジアではこの1台のみとなるため、この機会を逃すと実車を見るのは難しいだろう。最高出力は800ps以上、車重は1300kg程度。となると気になるのがパワーウェイトレシオだが、WEC(FIA世界耐久選手権)のGTEクラスで走っているマシンを凌駕するという。

「SIBUYA SPORTS CAR FES 2017」は11月25日(土)まで開催中

今年は東京モーターショー2017が開催され、来場者数は771,200人(前回812,500人)と減少している。あえて若者のクルマ離れというイヤなキーワードは使いたくはないが、来場者の4人に1人が女性で、15歳~39歳までの年齢層は大幅に増加しているという意外な結果になった。

全体の来場者が減ったのは、一般公開日直後の週末に台風22号の影響を受けたことも大きいが、やはりイギリス車、イタリア車、アメリカ車の不参加も大きい。ショールームで展示してある車両をわざわざお金を払って見たいのではなく、スーパーカーやコンセプトカー、レーシングマシン、そういった普段見ることができない車(なかにはキャンギャルが目的という人もいるが……)を見たいわけだ。

代々木公園けやき坂並木で開催されている「SIBUYA SPORTS CAR FES 2017」では、スーパーカーやレーシングマシンの展示や同乗走行を行っている。

アストンマーティンレーシングのレーシングスーツを着たキャンギャル

また、TOYOTA GAZOO Racingが企画・プロデュースした「Gravity Rally(グラビティ・ラリー)」も体験できる。これはヘッドマウントディスプレイを装着し、専用のシミュレーターに乗り込み、カメラ付きのRCカーを使って、激しいカーレースを体験できるというもの。タミヤが監修したもので、特設コースを激走するRCカーは、WRCに参戦しているトヨタのYaris(ヤリス)だ。ちなみにYarisはヴィッツの海外での車名。

ほかにもRCカーが走るコースも設置され、大人だけでなく子どもも、ファミリーでも楽しめるイベントになっている。11月25日(土)までの開催となるので、代々木公園の紅葉狩りとあわせて楽しみたい。特にアストンマーティン・ヴァルカンは必見!

鈴木 博之