●平均と中央値の違いとは?
「平均」と「中央値」ですが、その違いはご存じでしょうか?
平均とは、貯蓄額の総額を人数で割った値をいいますが、貯蓄額が極端に多い人、極端に少ない人がいれば、その存在が平均に大きく影響するという特徴があります。
一方、中央値とは、数値を小さいものから順番に並べたときに、中位(真ん中)にくる数値です。
調査で集めた人々には、貯蓄額の多い人もいれば、少ない人もいます。
しかし、中央値を調べれば、より実態に近い数値を確認することができます。
単身世帯と2人以上世帯の貯蓄中央値を比べてみると?
単身世帯と2人以上世帯の中央値を比べると、どの年代においても、2人以上世帯の貯蓄額が上回っています。
特に40~50歳代の中央値は約5~7倍もの差があります。
2人以上世帯は、子どもの教育資金や住宅ローンという大きな支出を抱えているため、若いうちから計画的な家計管理を必要とします。
40~50歳代は、平均と中央値の差が30歳代より開きます。
教育費が落ち着き、順調に老後資金の準備を始めるご家庭もあれば、なかなか思うようにいかないご家庭もあると考えられます。
一方、単身世帯の場合は、自分のために使えるお金が多い傾向にあり、使いすぎに注意が必要です。
40~50歳代においては、平均と中央値の差が大きく、老後資金をしっかり貯めている人、遅れがちの人で大きな差がありそうです。
単身世帯・2人以上世帯の借入金はいくら?年代別の平均と中央値を確認
各年代別での貯蓄額の平均と中央値が確認できました。
平均や中央値の数値とご自身の貯蓄額を比べて「少ない」と思った人、「多い」と思った人、それぞれだと思います。
一般的には蓄えが多ければ安心ですが、家計が健全かどうかは、世帯の貯蓄額だけではなく、負債も含めたバランスを見た方がよいでしょう。
そこで、先に紹介したデータである「2022(令和4)年家計の金融行動に関する世論調査」にて、各年代の「単身世帯」「2人以上世帯調査」の借入金の平均と中央値をみてみましょう。
●20歳代の借入金平均と中央値
- 単身世帯:188万円(平均)・80万円(中央値)
- 2人以上世帯:675万円(平均)・100万円(中央値)
●30歳代の借入金平均と中央値
- 単身世帯:629万円(平均)・100万円(中央値)
- 2人以上世帯:1852万円(平均)・1800万円(中央値)
●40歳代の借入金平均と中央値
- 単身世帯:536万円(平均)・133万円(中央値)
- 2人以上世帯:1575万円(平均)・1500万円(中央値)
●50歳代の借入金平均と中央値
- 単身世帯:318万円(平均)・100万円(中央値)
- 2人以上世帯:1150万円(平均)・900万円(中央値)
●60歳代の借入金平均と中央値
- 単身世帯:259万円(平均)・100万円(中央値)
- 2人以上世帯:895万円(平均)・500万円(中央値)
●70歳代の借入金平均と中央値
- 単身世帯:494万円(平均)・85万円(中央値)
- 2人以上世帯:979万円(平均)・400万円(中央値)