2023年8月24日に発表された、株式会社アンビション DX ホールディングス2023年6月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社アンビション DX ホールディングス 代表取締役社長 清水剛 氏

AGENDA

清水剛氏:株式会社アンビション DX ホールディングス代表の清水でございます。本日は、株式会社アンビション DX ホールディングス2023年6月期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。これより、2023年6月期決算発表のご説明を始めさせていただきます。

本日は、ご覧のアジェンダのとおりお話しします。

全社 ポイント(2023年6月期)

全社のポイントでございます。2023年6月期は前年同期比で、売上高14.7パーセント、営業利益7.0パーセント、経常利益9.4パーセント増加と増収・増益となりました。

賃貸DXプロパティマネジメント事業のDX施策が順調に成果をあげ、同セグメントでは、売上高11.6パーセント増、管理戸数850戸増加、入居率も98.2パーセントと高入居率を達成しております。

賃貸仲介事業ではリーシング(客付け)を行い、当社管理物件の入居率に貢献しております。売買DXインベスト事業では計画どおりに販売を行い、プロパティマネジメントの管理戸数増加に寄与しております。

全社 業績ハイライト(2023年6月期 実績)

売上高は前年同期比14.7パーセント増の362億3,900万円、営業利益は前年同期比7.0パーセント増の16億300万円、経常利益は前年同期比9.4パーセント増の14億8,200万円、当期純利益は前年同期比16.4パーセント増の9億6,100万円となりました。

前期はインキュベーション事業での営業利益が約5億円ありましたが、今期は1,200万円となり、当社主力事業の賃貸DXプロパティマネジメント事業、売買DXインベスト事業等の既存事業の成長で営業利益が63.3パーセント増加しております。

各事業の実力を実感しております。

全社 損益計算書

連結損益計算書でございます。

全社 貸借対照表

連結貸借対照表でございます。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業 管理戸数の推移

管理戸数の推移です。管理物件全体戸数は前年同期比3.5パーセント増の24,971戸、サブリース管理戸数は前年同期比3.1パーセント増の13,913戸となりました。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業 入居率の四半期推移

管理戸数の増加にも関わらず、(前期96.3パーセント)入居率の向上を実現しております。

全社 売上高の推移

主力の賃貸DX事業が下期偏重のため、連結業績は例年下期偏重傾向にあります。

事業セグメント

当社5つの事業セグメントでございます。

セグメント別売上高・構成比

セグメント別売上高・構成比です。ストックビジネスである賃貸DXの売上比率が約6割を占めております。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業 2023年6月期 実績

プロパティマネジメント事業についてご説明します。こちらは当社事業部を中心に、ヴェリタス・インベストメント、VALORでも一部展開しています。

プロパティマネジメント事業の売上高は前年同期比11.6パーセント増の19,156百万円、セグメント利益は前年同期比41.1パーセント増の1,466百万円となりました。

サブリース管理戸数の増加により増収となり、DX施策によって管理コストの抑制が奏功し増益となりました。入居率向上施策により入居率98.2パーセントと高水準となっております。

また、DXの主な取り組みとして、業務効率化の促進を実現する、次世代管理システム「AMBITION Cloud」、賃貸における契約のシーンをブロックチェーン技術を活用し、デジタルで行うことを実現した電子契約サービス「AMBITION Sign」、入居者との継続的な関係性の向上を図る入居者アプリ「AMBITION Me」をリリースし、業務効率、生産性向上、お客さまのお部屋探しの体験価値向上を実現しております。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業

賃貸管理のワークフローの上流である受託営業から物件募集、募集後の内見・お申込・審査、重要事項説明、ご契約まで「AMBITION Cloud」でシームレスなデータ連携を行い、業務効率およびお客さま、関連ステークホルダーのDX推進を実現しております。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業 バックステージシステム

不動産の賃貸管理に関するやりとりは、お客さまもステークホルダーも不規則的なものが多く、紙のやりとり、重複した業務、口頭説明などによる情報の散在など、大きな課題がございました。

これら業界全体の課題解決を行うため、「AMBITION Cloud」を構築しており、従来型のアナログな業務をデジタルにより改革し、人的ミスや工数削減を実現するとともに、顧客の体験価値向上を実現しております。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業 ペーパーレス化を実現

「AMBITION Cloud」では、お客さまからの問い合わせから、契約、ご入居後のサポートまで、オンラインで行うことにより、ペーパーレス化が実現され、さまざまなシーンにおいて、負担が軽減されております。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業

宅地建物取引業法の改正(2022年5月18日施行)に合わせて、ブロックチェーン技術を用いた独自の電子契約パッケージ「AMBITION Sign」の運用を開始しております。

これまで、来店、紙、郵送で行っていたものを、オンラインですべて完結し、契約書類の保管までをデジタルで実現しております。

また、他社の電子契約サービスと大きく相違する点は、重要事項説明後に賃貸借契約が締結されるよう、業法上のワークフローに沿って、契約の締結がなされるため、リーガルリスクを軽減しております。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業

入居者との継続的な関係性の向上を図る入居者アプリ「AMBITION Me」は入居者が利用する生活プラットフォームを構築しています。

入居から更新、退去に至るまで、お客さまと継続的に繋がり続けることを可能といたします。今後、オンライン診療・インフラ(電気・ガス・水道)・保険など、生活サービスと連携を行っております。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業

その大きな一歩として、入居者DXアプリ「AMBITION Me」では「オンライン診療」の提供を開始いたしました。

「オンライン診療」は、一般的な診療医療サービスを提供しているクリニックとの連携により、「AMBITION Me」内で予約することができ、その後、「LINE」を活用し簡単にオンライン診療を受診する事が可能となるサービスです。

スマートフォンやタブレットを通じて、専門的な知識を持つ医師とのリアルタイムなコミュニケーションが可能となります。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業 当社の成長ポテンシャル

当社の成長ポテンシャルですが、全国の委託管理シェア0.6パーセント、サブリースのシェアで0.5パーセントとなり、今後も更なる成長が見込まれます。

【賃貸DX】プロパティマネジメント事業 当社ターゲット市場の環境

インバウンドは回復傾向にあり、転入超過もコロナ禍以前へ回復傾向にございます。

また、当市場は継続的な人口推移が見込まれ、特に当社ターゲットの単身者は、都心集中によりさらなる成長が予測されます。

【賃貸DX】賃貸仲介事業 2023年6月期 実績

賃貸仲介事業についてご説明します。こちらは、アンビション・エージェンシー、VALORのほか、アンビション・レント、アンビション・パートナーでも展開しています。

賃貸仲介事業の売上高は前年同期比13.5パーセント増の8億6,500万円、セグメント利益は前年同期比71.1パーセント減の2,800万円となりました。

Web集客、リモート接客・電子契約など非対面サービスを強化しました。しかし、集客施策および繁忙期に向けた人員の増加により、売上高は増加した一方、人員およびDX施策のための投資、広告宣伝費の増加等により、収益は減益となりました。

今後のさらなる拡大を意図した投資となります。

【賃貸DX】賃貸仲介事業 AI×RPAツール『ラクテック』

当事業のDX施策として、従来、手作業で行っていた、物件情報掲載業務をAI・RPAで自動化する、AI×RPAツール「ラクテック」の活用により、入力業務の抑制・反響数のアップ、売上の増加に貢献しております。

【賃貸DX】賃貸仲介事業 コンシューマー向けサービス(ルムコン)

こちらは、お部屋探しユーザーとルームコンシェルジュ(不動産仲介営業マン)をつなぐマッチングアプリ「ルムコン -Room Concierge-」です。

お部屋探しで重要なことは、お客さま個々のニーズにマッチしたサービスを提供することであり、営業マンの世界観を創出し、事前に営業マンをご選択いただくことで、理想の住まい探しが加速されます。

ユーザー数、契約数いずれも増加しており、既存の反響媒体からの集客に頼らない、新たな集客チャネルとして、賃貸仲介事業にも貢献しております。

【売買DX】インベスト事業 2023年6月期 実績

インベスト事業についてご説明します。こちらは、ヴェリタス・インベストメント、当社インベスト部で展開しています。

インベスト事業の売上高は前期比23.1パーセント増の155億5,800万円、セグメント利益は前期比18.4パーセント増の18億6,000万円となりました。

計画どおりの販売戸数となりました。当事業の販売物件は、売却後に管理戸数の増加に寄与しております。

【売買DX】インベスト事業 当社のデザイナーズマンション

当社のデザイナーズマンションの事例でございます。「立地」、著名デザイナー・建築家監修した「デザイン」、現代のニーズに合った「設備仕様」、プレミアムな資産価値の創造を実現しております。

【売買DX】インベスト事業 当社・子会社ヴェリタス・インベストメントを中心に展開

インベスト事業では、都内プレミアムエリアを中心に、自社開発の新築投資用ワンルームマンションを販売するとともに、立地を重視した分譲マンションのリノベーション販売を行う、2つの柱で事業展開を行っております。

インキュベーション事業 2023年6月期 実績

インキュベーション事業についてご説明します。こちらはアンビション・ベンチャーズで展開しています。

インキュベーション事業の売上高は6,300万円、セグメント利益は1,200万円となりました。新たに11社への投資を実行し、29社のベンチャー企業へ投資しております。

【不動産DX】その他事業 2023年6月期 実績

その他事業です。不動産DX事業(Re-Tech RaaS)、少額短期保険事業(ホープ)、海外システム(アンビションベトナム)についてご説明します。

その他事業の売上高は前期比25.0パーセント増の5億500万円、セグメント利益は前期比1億2,000万円改善のマイナス9,300万円となりました。

不動産DX事業を機動的に推し進めるため、海外システム事業ではIT先進国を目指すベトナムにて、システム開発・運用、RPA・BPOなどを担っております。

少額短期保険事業は、インシュアテックを推進した、住まいにかかわるリスクヘッジ商品を提供しているホープにて行っております。独自開発の電子保険契約システム「MONOLITH」の活用により、お客さまと取引業者との手続きが効率化され、代理店取引が増加、保険契約数が順調に成長しております。

さらには、当社とシナジーの高いライフライン事業、成長性の高いZEH事業を行うDRAFT社が、M&Aにてグループインを遂げ、今後の高い成長が期待されます。

【不動産DX】その他事業 事業の内容

「周辺ビジネスを展開し、安定した収益源を確保 M&Aにより経営リソースを最大化」と記載しています。

【不動産DX】当社の強み 不動産DXを一気通貫で実現

当社は、開発・企画・仕入れ・管理・仲介・保険・二次流通までをワンストップで提供しており、不動産業務の全体最適をDX推進で行うことを可能としております。

【不動産DX】当社の強み 事業バリューチェーンを不動産DXで業務効率化

対面・書面・郵送・電話などの従来のやりとりを、不動産DXプロダクトの活用によって、デジタルを通じた業界変革を行っております。

【不動産DX】当社の強み インハウスでDX推進を行い全体最適を実現

不動産事業を行っているリアルビジネスと、全体のDX推進をリードするDX推進室、多様な技術を持つアンビションベトナムによって、インハウス(内製化)を実現しております。

【不動産DX】その他事業 株式会社Re-Tech RaaSの吸収合併

経営資源を最大限活用し、経営の効率化・意思決定の迅速化を図るため、当社の100パーセント子会社である株式会社Re-Tech RaaSを、吸収合併することといたしました。Re-Tech RaaSでこれまで取り組んできた事業につきましては、引き続き取り組んでまいります。

ビジョン

方針についてご説明します。当社のビジョンは「DXによって不動産ビジネスを変革し、デジタルとリアルを融合した唯一の不動産デジタルプラットフォーマーになる」です。

構想

このように、不動産ビジネスを一気通貫で効率化できるDXプラットフォームを構築し、快適な住まい体験を提供してまいります。

方針

ビジョンの実現に向け、DX推進による事業変革、M&A推進など、非連続な業容拡大への取り組み、新たな不動産DXプロダクトの開発・販売による業界変革の3つを方針に掲げています。

方針01 DX推進による事業変革

テクノロジーの進化とデジタルデータの最適化によって既存事業をバリューアップし、将来的には新規事業の創出を目指します。

方針02 非連続な業容拡大への取り組み

オーガニック成長に加え、M&A・アライアンス・ベンチャー投資を加速し、業容を拡大していきます。

方針03 DXプロダクト開発による業界変革

不動産DX事業における既存サービスの機能拡充・外販強化に加え、新たな不動産DXプロダクトの開発・販売促進、浸透によって業界変革の実現を図ります。

2023年6月期の方針と施策

そして、DX施策でございます。

DX施策 不動産DXプロダクト一覧

こちらのスライドは、DXプロダクトの一覧でございます。すべてにおいて業務効率、生産性の向上への貢献度が高くなってきております。ビジョンの実現に向けて尽くしていきたいと思います。

当社関連不動産DX分野

不動産業界でIT化された分野では、ローン・保証を除くすべての分野で、当社関連不動産DXシステムが展開・社内活用されております。

全社 業績予想(2024年6月期通期)

2024年6月期の業績予想と配当予想です。今期も増収、増益予想とし、過去最高の売上、利益を達成いたします。

全社 配当予想

成長分野への積極的投資を行いつつ、安定的な株主還元を継続する方針です。今期も増配を見込んでいます。

2023年6月期 TOPIC1

2023年6月期のトピックスをお話しします。

先にご説明のとおり、当期において、主に電気、ガス、ウォーターサーバーなどの日常生活に関する商品や、蓄電池、太陽光、エコキュートなどの住宅環境設備に関する商品の販売を行う、株式会社DRAFTの全株式を取得し子会社化いたしました。

賃貸管理事業および賃貸仲介事業における顧客に対して、同社のライフライン営業を行うことで、当社グループとのシナジー効果が見込まれ、業容の拡大と企業価値向上を実現いたします。

2023年6月期 TOPIC2

「ChatGPT」と共に成長する不動産業界ということで、LLM(ラージランゲージモデル)の特性を不動産業界で活用すべく、教育とロープレサポートのシーンからPoCを実施しております。

2023年6月期 TOPIC3

神奈川県を中心にお部屋探しを手掛ける株式会社VALORを、2023年7月1日に「株式会社アンビション・バロー」へ商号変更しました。

2023年6月期 TOPIC4

神奈川県を中心にお部屋探しを手掛けるアンビション・バローについて、「アンビション・バロー 新横浜店」を出店しました。

2023年6月期 TOPIC5

「Web3.0×不動産DX」の推進に向け「Web3.0を牽引するDEAと資本業務提携」を発表しました。

2023年6月期 TOPIC6

入居者DXアプリ「AMBITION Me」の提供を開始しました。

2023年6月期 TOPIC7

ブロックチェーン不動産DX「AMBITION Cloud」構想を発表しました。

2023年6月期 TOPIC8

当社子会社である株式会社ホープ少額短期保険が保険料収入ランキングにて大きく躍進しました。

2023年6月期 TOPIC9

Motion AIは、モニターに映る地図から手のひらの動作のみで物件検索を行い、ARによる内見を可能とするサービスです。

本プロダクトは内製でのプロトタイプの開発に至っており、人工知能とロボット技術を融合させることで、お部屋探しをされるすべての方にとって、テクノロジー技術を活用し、便利で快適なお部屋探しが行える、未来を変える可能性を秘めた革新的な技術です。

2023年6月期 TOPIC10

先ほどプロパティマネジメント事業内でご説明申し上げました、ご入居さま向けの「AMBITION Me」内で提供しております、新サービスの「オンライン診療」でございます。

当社の掲げるロイヤリティプログラムの1つで、今後は利用者数を拡大する予定です。

全社 業績予想(2024年6月期通期)

2024年6月期の業績予想はご覧のとおりです。以上で2023年6月期決算発表のご説明を終わります。ご清聴いただきありがとうございました。

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