コマツの2023年度の業績予想は慎重な見通しに

2023年度第1四半期の決算では販売量、販売価格ともに追い風出会ったことを公表しましたが、実はコマツの今期の見通しは慎重なものとなっていて、2023年度第1四半期時点では売上高と純利益で減収減益予想となっています。

市場見通しを見ても、北米や欧州、中国などの需要が減退する見通しを示しています。特に中国では前期比30~40%の大幅な減退を予想しています。

第1四半期の好業績を見ても業績予想を変更していないところを見ると、コマツの見通しとしては今後の市況悪化を見込んでいることがわかります。

コマツの株価の主なリスク

コマツの「事業等のリスク」において、同社が考えるリスク要因がまとめられています。このなかで主に確認したいリスクは次の通りです。

  • 経済や市況変動リスク
  • 為替変動リスク
  • 金融市場の変動リスク

コマツはグローバルに事業を展開する企業であるため、世界情勢や経済変動の影響を大きく受けます。

足下も中国などの需要減退が業績の減速要因となる見通しが示されているように、世界各国の設備投資需要はコマツの業績や株価の変動リスクとなります。

また、同時に為替の市況が同社の資産および売り上げの金額の変動要因となります。

2023年はこれまでは円安進行に伴い追い風材料となって来ましたが、今後円高に転じれば逆風要因となる可能性があります。

コマツは有利子負債を1兆円以上(2020年度3月末時点)かかえるなど、バランスシートの規模が大きい企業です。

このような企業は負債の金利支払いや借り入れコストが業績の大きな変動要因となる場合があります。