2.2 年金受給初年度(1年目)だから
年金からは国民健康保険料や住民税、介護保険料が天引きされると解説しましたが、実はこのルールは年金受給開始2年目以降の方に適用されるものです。
年金受給初年度の方の場合、天引きが開始されるのは基本的に10月支給分からとなります。
上図は世田谷区の例ですが、10月から年金天引き(「特別徴収」)が開始されていることがわかります。
なお、10月以前の分は納付書が送付されるため、金融機関や市区町村役所の窓口などで支払うのが一般的です。
とはいえ、これまで納付書払いであったものが年金からの天引きに変更になるだけなので、家計に影響が出るわけではないといえるでしょう。
2.3 「仮徴収」から「本徴収」になるから
天引きされる金額は、8月までは「仮徴収」ですが10月分からは「本徴収」になるため、金額が異なるのが一般的です。
国民健康保険料や住民税、介護保険料は年度単位で金額が計算されます。
前年度から継続して年金受給している方は、原則として当年度の4月・6月・8月分は前年度の2月分と同じ金額を納めます(仮徴収)。
そして、10月・12月・翌2月分は、前年の所得などをもとに今年度の年間の保険料や税額を計算し、そこから仮徴収で納めた分を差し引いて、10月支給分以降で分けて納めます(本徴収)。
こちらも世田谷区の例ですが、10月から本徴収に切り替わっていることがわかります。
本徴収の金額が10月支給分から反映されるため、天引き額が変更になり、年金手取り額の変更の原因となるのです。
3. 10月は13日が年金支給日。年金振込通知書の確認を
年金の手取り額が8月支給分と10月支給分とで異なる理由として、天引きされるものの金額が変更になることが挙げられます。
年金受給開始初年度の方は、10月から天引きが開始されるため手取り額が減ることになります。
また、継続して年金を受給している方は、仮徴収から本徴収への切り替えが10月からとなるため、受給額に影響が出ることになります。
ほかにも、前年の所得が前々年の所得よりも増えた場合も、天引き額も増えて手取りが減る可能性があります。
10月初旬に本徴収が適用された後の「年金振込通知書」が送付されますので、天引きされる金額や手取り額などを忘れずに確認しましょう。
参考資料
木内 菜穂子