筆者は20歳代の頃、フィリピンのとある小さな島でボランティア活動をしていました。ホームステイ先は裕福ではなく、自宅裏の森にあるアボカドやバナナの木、とうもろこし畑や放し飼いされた鶏など、食べるものは森から調達するという感覚でした。

自然の恩恵を享受しながら、不足するものは購入するという生活を2年間続けたわけですが、これだけ食べるものがあればそんなにお金は要らないなと感じました。

せわしく過ごす現役時代が過ぎれば、セカンドライフは悠々自適に過ごしたいと考える方は多いのではないでしょうか。

とはいえ、先立つものはお金。今の生活水準を変えずに生活したいと考えるのであれば、それなりの老後資金は準備しておく必要があります。

老後収入の柱となる年金。今回は「月15万円を超える人」の割合がどのくらいか、男性に絞って考察していきましょう。

1.【日本の年金制度】しくみを確認

最初に、年金の仕組みについて簡単に確認をしておきます。

日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の2種類からなる「2階建て構造」です。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:1万6520円(※1):全員一律、年度ごとに見直しあり
  • 年金額:6万6250円(※2)✕調整率:未納期間がある場合は減額調整

※1:2023年度の月額
※2:2023年度の月額:40年間年金保険料を納付した場合に受け取れる「満額」

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(報酬により決定)
  • 年金額:加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せ支給)

現役時代に「国民年金」と「厚生年金」のどちらに加入しているかで、老後に受け取る年金額に大きな差がでることを押さえておきましょう。

国民年金の保険料は「全員一律」であるのに対し、厚生年金は「報酬比例制(報酬により決定)」です。厚生年金は、毎月の給与や賞与などの報酬に所定の適用率を乗じて保険料を決定するため、人によって保険料が異なる仕組みです。