金融商品はいずれも一長一短であり投資信託も例外ではありません。
では、投資信託のデメリットとは具体的にどのようなものなのでしょうか?
本記事では投資信託のデメリットや投資信託の運用に向かない人の特徴を解説していきます。
1. この記事を読んでわかること
2. 投資信託とは
<動画でわかる投資信託のキホン>
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投資信託は投資のプロに資金の運用をおまかせできる金融商品です。
一般社団法人投資信託協会では以下のように定義されています。
「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
出所:投資信託協会「そもそも投資信託とは?」
投資家は運用方針や主要な投資対象がことなる約6000本の商品から好きなファンドを購入できます。
出所:投資信託協会「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー」
一方で投資信託には以下の手数料がかかります。
- 購入時手数料:投資信託の購入時にかかる手数料
- 信託報酬:投資信託の保有中にかかる手数料。保有額に対して年率の形で毎日発生する
- 信託財産留保額:投資信託の解約時にかかる手数料
ただし、最近では購入時手数料と信託財産留保額を無料としている投資信託も数多く見られます。
3. 投資信託をおすすめしない4つの理由(デメリット)
投資信託にはさまざまなメリットがある一方でデメリットもあります。
ここでは投資信託をおすすめしない4つの理由(デメリット)を解説していきます。
- 元本割れの可能性がある
- 短期で大きなリターンは狙えない
- 株などに比べて手数料が高め
- 投資銘柄を自分で決められない
3.1 元本割れの可能性がある
投資信託は日々価格(基準価額)が変動する金融商品です。
購入時の価格よりも解約時の価格が高ければ、その分利益となりますが、一方で購入時の価格よりも解約時の価格が低ければ、その分は損失となるのです。
このように金融商品の価格変動によって損失を被ることを元本割れと言います。
3.2 短期で大きなリターンは狙えない
投資信託はプロがさまざまな銘柄や資産に分散投資するので、比較的安定した値動きが期待できます。
たとえば株と債券の価格は、一般的には逆の値動きを示すため、株と債券の両方を保有することで、お互いがお互いの価格変動による影響を相殺しようとする力関係が働くことになります。
これは分散投資のメリットである一方、その分特定の銘柄や資産に集中投資する場合に比べて大きな値上がりは期待しにくくなります。
3.3 株などに比べて手数料が高め
投資信託は個別株投資と比べると手数料が割高です。
たとえばSBI証券や楽天証券の国内株取引手数料は無料ですが、投資信託は保有額に応じて信託報酬が毎日発生します(保有額に対して年率◯%の形で発生します)。
また、ファンドによっては購入時・解約時の手数料を設けているため注意が必要です。
3.4 投資銘柄を自分で決められない
投資信託はプロに資金運用をまかせる金融商品です。
株式投資のように銘柄(企業)を自由に選択して投資することはできません。
4. 投資信託をおすすめしない人の特徴
ここまでの内容をまとめると、投資信託をおすすめしない人の特徴は以下の通りです。
- 余剰資金のない人
- 投資銘柄を自分で決めたい人
- 短期で大きなリターンを期待する人
それぞれ詳しく解説します。
4.1 ある程度の余裕資金のない人
投資信託はある程度の余裕資金のない人にはおすすめできません。
投資信託をはじめとする投資商品は大きなリターンを期待できる一方で、投資元本が失われる可能性があります。
投資信託はあくまで失ってもよい「余裕資金」で運用するようにしましょう。
つみたてNISAやiDeCoなどで投資信託に挑戦する方も、毎月無理のない金額を設定するようにしましょう。
4.2 投資銘柄を自分で決めたい人
投資信託はファンドマネージャーが運用方針に沿って銘柄の選定や買付、ポートフォリオの管理などを行う金融商品です。
したがって投資する銘柄(企業)を自分で決めたい方にはおすすめできません。
4.3 短期で大きなリターンを期待する人
投資信託は短期で大きなリターンを狙う方にもおすすめできません。
投資信託は投資家の資金をプロがさまざまな資産・銘柄に分散投資する金融商品です。
そのため、特定の資産や銘柄の価格が急激に下がった場合でも大きな損失となりにくい点がメリットとなります(別の資産・銘柄の価格上昇がクッションアブソーバーとなるため)。
ただし、短期間で大きな利益を狙うことは難しいと考えておくべきでしょう。ある企業の株価が急上昇してもまったく同じ理屈でリターンは抑えられることになります。
5. 初心者には投資信託がおすすめな3つの理由(メリット)
ここまで投資信託のデメリットや投資信託に向かない人の特徴を解説してきました。
一方で、投資信託は初心者や忙しくて投資に取り組みにくい社会人の方にはおすすめの金融商品です。
本章では投資信託が初心者におすすめの投資商品である3つの理由を紹介します。
<投資初心者には投資信託がおすすめである3つの理由>
- 手軽に分散投資ができる
- 忙しい人でも取り組みやすい
- 少額からでも始められる
5.1 手軽に分散投資ができる
分散投資はリスクを抑えながら資産を運用するための重要なテクニックです。
投資する銘柄や地域を適切に分散することでリスク(価格のブレ幅)を軽減できます。
分散投資には投資に関する知識が必要となりますが、投資信託であればプロが代行してくれるため、初心者でもすぐに実践できますよ。
5.2 忙しい人でも取り組みやすい
投資信託は忙しい方でも取り組みやすい金融商品です。
普段の家事・仕事が忙しくてなかなか投資に取り組めていない社会人や主婦の方も多いでしょう。
たとえば特定の会社の株を購入する場合には企業の業績やビジネスモデルの研究、日々の株価のチェックなどに加え、適切なタイミングでの売買も必要となります。
一方、投資信託であれば、これらのことは投資信託を運用するプロのファンドマネージャーにおまかせできます。
5.3 少額からでも始められる
投資信託は多くの金融機関で月100円からの少額投資ができるようになっています。
最初に十数万円~数百万円程度の資金が必要となる株式投資よりはずっと始めやすいでしょう。
投資に興味があるけれど家計に余裕がない方や、家計に負担をあまりかけずに投資を始めてみたい方にも投資信託はおすすめです。
6. 初心者におすすめの投資信託3選
ここまでで投資信託を始めようと思い立った方もいるでしょう。
そこで本章では初心者におすすめの投資信託3選を紹介します。
投資信託の運用に興味がある方はぜひ参考にしてください。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
6.1 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
期間収益率(過去3年) |
73.8% |
信託報酬率 |
年率0.05775% |
運用できる主な証券会社 |
楽天証券・マネックス証券・SBI証券 |
つみたてNISA対応 |
◯ |
※eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のマンスリーレポートによる(2023年9月29日現在)
業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける「eMAXIS Slim」シリーズの投資信託です。
全世界の株式に投資する商品となっています。
全世界の株式に幅広く分散投資したい方におすすめです。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」で1位に輝いた実力派の投資信託となっています。
6.2 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
期間収益率(過去3年) |
75.3% |
信託報酬率 |
年率0.05775% |
運用できる主な証券会社 |
楽天証券・マネックス証券・SBI証券 |
つみたてNISA対応 |
◯ |
※eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)のマンスリーレポートによる(2023年9月29日現在)
業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける「eMAXIS Slim」シリーズの投資信託です。
日本以外の全世界の株式に投資する商品となっています。
すでに日本株を運用している方や日本株以外の全世界の株式に幅広く分散投資をしたい方におすすめです。
6.3 eMAXIS Slim先進国株式インデックス
期間収益率(過去3年) |
82.3% |
信託報酬率 |
年率0.09889% |
運用できる主な証券会社 |
楽天証券・マネックス証券・SBI証券 |
つみたてNISA対応 |
◯ |
※eMAXIS Slim先進国株式インデックスのマンスリーレポートによる(2023年9月29日現在)
業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける「eMAXIS Slim」シリーズの投資信託です。
先進国の株式市場を投資対象としています。
フランスやイギリスといった先進国はインドや中国などの新興国に比べてローリスク・ローリターンな運用が期待できます。
長期的にリスクの低い安定成長を狙うのであれば、ぜひ検討したい商品です。
7. 投資信託の運用には楽天証券がおすすめ
投資信託を始めるには証券会社をはじめとする金融機関で証券口座を開設しなければいけません。
数多くの金融機関が証券口座を提供していますが、なかでもおすすめなのが「楽天証券」です。
楽天証券は手数料・商品ラインナップ・独自サービスのいずれにも優れたオールラウンダーなネット証券であり、総合口座数は900万を突破しています(2023年4月時点)。
国内株式の取引手数料は現物・信用とも無料、外国株も米国・中国・ASEAN(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)と幅広くカバーしています。
投資信託は2602本をラインナップ、つみたてNISA対象商品も195本と業界最多水準です。
さらに、投資信託の「つみたて購入」を楽天カード決済にすることで、最大1%の楽天ポイントが還元されます。
※楽天証券に関するデータは2023年9月28日時点の確認情報に基づきます。
参考資料
9. まとめ
久保田 雅大