2023年8月10日に発表された、サクサホールディングス株式会社2024年3月期第1四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:サクサホールディングス株式会社 代表取締役社長 丸井武士 氏

1-1 連結損益計算書

丸井武士氏:サクサホールディングスの丸井です。本日は2024年3月期第1四半期決算説明および上場区分変更申請についてご説明します。

最初に、2024年3月期第1四半期業績概要について、連結損益計算書からご説明します。前期の2023年3月期第4四半期中から、部品調達難の解消が進んだものの、OEMを中心に販売パートナーからの需要の要求に対応しきれず、受注残高が増加していました。

これに対し、今期第1四半期は、前期からの受注残高の消化を進めてきたため、売上高は108億円、営業利益は12億円、経常利益は13億円、当期純利益は9億円の増収増益となりました。

前年同期比では、売上高が35億円の増収、営業利益が15億円の増益となっています。今期の業績については、一部主要製品の部品調達難に伴う販売機会の損失、2次流通業者からの部品調達難については減少基調であるものの、メーカーおよび代理店からの部品調達価格上昇リスクが続いています。

加えて、過去に製品供給難により低下した、販売パートナーにおけるシェア回復についても依然過渡期にあること、第2四半期以降の販売パートナーの在庫状況によっては、需給バランスの調整局面に入るリスク等も想定されます。これらの状況を踏まえ、2024年3月期連結業績予想は変更せず、現状のままとしています。

1-2 連結売上高の主な増減内訳

売上高の増減内訳です。部品調達難の改善により基盤事業が回復し、成長事業が堅調に推移した結果、35億円の増収となっています。

1-3 連結売上高の事業別増減内訳

連結売上高の事業別内訳です。基盤事業について、ボタン電話装置は部品調達難の改善により、供給待ちであった販売バートナーの受注残消化が順調に進み、11億円の増収となっています。アミューズメントは、2022年11月から展開されているスマート遊技機の市場導入に伴うカードリーダライタ等の受注増により、17億円の増収となっています。

成長事業においては、ビジュアルソリューション、ネットワークアプライアンス、SIビジネスの3事業すべてが堅調であり、5億円の増収となっています。

1-4 連結営業利益の主な増減内訳

営業利益の内訳です。営業利益は、前年同期比で15億円の増益となっています。

先ほどご説明した基盤事業、成長事業の売上高の増加により17億円増、部品調達難による二次流通業者からの高価格での調達減少により4億円増、メーカ代理店の部品調達価格の上昇により3億円減となっています。

その他として、相模原地区の収益化に伴う新オフィスへの移転費用や、賃金アップなどの人財投資費用、販売機種構成変動の増減を反映した結果、営業利益は12億円となっています。

1-5 連結貸借対照表

次に貸借対照表の資産の部です。流動資産は債権回収が進んだことにより、売上債権が3億4,000万円減少しています。また、生産工程の仕掛品の増加、SIビジネスの長期案件による仕掛品の増加、部品調達難や調達価格高騰に伴う部品在庫の増加により、棚卸資産は7億9,000万円増となっています。

固定資産は、現在の株価高の影響もあり、投資有価証券の時価評価による洗替の結果、5億4,000万円増加しています。

1-6 連結貸借対照表

負債の部については、特筆すべきトピックスはありません。純資産は前期末から11億円増加し260億円となっています。自己資本比率は前期末からの大きな変化はなく、60.7パーセントです。

2-1 スタンダード市場への選択申請について

上場区分変更申請についてご説明します。当社は8月4日、東京証券取引所にスタンダード市場への区分変更の申請書を提出しました。当社が優先すべき課題は、中期経営計画に基づき、事業成長を加速させるための諸施策に経営資源を集中し、企業価値を向上させることであると判断した結果です。

プライム市場適合基準の充足に向けた調達体制強化による部品調達難の改善に伴い、業績が回復した結果、流通株式時価総額および1日平均売買代金ともに前進しています。

ただし、流動性向上に向けた新たな投資家の獲得はできなかったことや、流通株式比率の低下などにより、基準充足には想定より時間がかかると考えています。

このような状況の中、経過措置期間中に基準を満たした場合でも、安定的かつ継続的に充足する状態が保てないリスクを考慮し、当社株主のみなさまが不安を抱くことなく、安心して当社株式を保有・売買できる環境を整えることが重要と考えています。

今後も引き続き、中期経営計画に基づいた成長戦略への経営資源投入により、プライム市場上場企業と同様の企業価値向上へ努めていきます。

決算説明会を踏まえたIRに関する質問の受付

最後に、本日の決算説明会は録画配信です。当社にご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。

当社では、株主・投資家のみなさまとの対話をより密にするためのIR活動を行っています。決算説明に関するご質問、ご意見、ご感想などをご記入いただくために質問受付フォームを開設しますので、ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。いただいた回答内容は、今後の企業活動やIR活動の参考とさせていただきます。記入期間は8月10日から8月25日までです。

以上で本日の説明会を終了します。ご清聴いただき誠にありがとうございました。

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