4. 夫婦の「年金」合計なら20万円以上になるのか

年金を月額20万円以上受給するのは難しいことがわかりました。

では、夫婦2人ならどうでしょうか。厚生労働省の資料によると、国民年金の平均受給額は男性5万9013円、女性5万4346円と、どちらも満額には満たないようです。

こちらの金額を目安として、夫婦の年金の種類ごとに平均値で2人分の年金額を比較してみましょう。

4.1 夫婦ともに厚生年金

  • 夫:16万3380円
  • 妻:10万4686円
  • 合計:26万8066円

4.2 夫は厚生年金・妻は国民年金

  • 夫:16万3380円
  • 妻:5万4346円
  • 合計:21万7726円

4.3 夫は国民年金・妻は厚生年金

  • 夫:5万9013円
  • 妻:10万4686円
  • 合計:16万3699円

4.4 夫婦ともに国民年金

  • 夫:5万9013円
  • 妻:5万4346円
  • 合計:11万3359円

夫婦ともに厚生年金の場合、男女の平均受給額でみれば2人で「26万8066円」です。ここまで受給できると、老後は安心に思えるかもしれません。

気をつけたいのは、妻が厚生年金で夫が国民年金という場合。この夫婦は平均ベースで16万3699円となり、月額20万円のラインには届きません。

平均は大きな値に引っ張られやすい性質のため、実際の受給額はもっと少ない可能性もあります。まずは夫婦の年金目安額について、ねんきんネットやねんきん定期便などで確認しておきましょう。

5. 年金以外の自助努力を考える

今回は厚生年金の受給額について考察を行いました。

初任給と同程度の20万円以上を受け取る方の割合は少なく、10万円台の方が圧倒的に多いのが現状です。

退職後の収入は、初任給に及ばない可能性が高いのです。年収が上がった状態で退職を迎えますから、急に収入が減ると生活レベルの見直しも大幅に行う必要があるでしょう。

年金だけで生活を考えるのは難しい時代になっていますから、どれだけ準備をして老後を迎えるかが重要です。

国もiDeCoやNISAなど自助努力を促す制度を整えています。もちろんリスクもありますが、将来のことを考えれば使うべき仕組みも見つかるはずです。

いつか必ず老後はやってきます。お金には困らないよう、今回の記事がお金について考えるキッカケとなれば幸いです。

参考資料

徳原 龍裕