独身世帯は増加傾向にあります。誰とも同居せずにひとりで暮らす世帯を指す「おひとりさま」という言葉も耳慣れてきましたね。

内閣府の「令和4年版 少子化社会対策白書」より、50歳時の未婚割合の推移を見てみると、1985年以降、男女ともに右肩上がりで上昇。「結婚しない人」が増加傾向にあることがわかります。

2020年時点では「男性 28.3%・女性 17.8%」となっています。

今回はそんな「おひとりさま」に焦点をあてて、お金事情を見ていきたいと思います。「おひとりさま」で老後を迎えるにあたり、どのような準備が必要になるのかを考えていきましょう。

1. おひとりさま「貯蓄ゼロ」は何パーセントか《世代別》

お金も時間も、使い方を自分で自由に決めることができる「おひとりさま」。

金融広報中央委員会「令和4年(2022年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」よると、「貯蓄ゼロ」のおひとりさまが意外と多いようです。

世代別に貯蓄ゼロの割合を見ていきましょう。

1.1 おひとりさま「貯蓄ゼロ」の割合《世代別》

  • 20歳代:42.1%
  • 30歳代:32.4%
  • 40歳代:35.8%
  • 50歳代:39.6%
  • 60歳代:28.5%
  • 70歳代:28.3%

働き始めて間もない20歳代は、貯蓄ゼロが約42%。30歳代になると10%ほど減っています。収入アップや貯蓄への意識が高まっていく頃でしょう。

40歳代、50歳代では貯蓄ゼロの割合が増えています。50歳代は4人に1人が貯蓄ゼロという結果に。同資料の調査時点で40歳代前半の方は「就職氷河期世代」ということも貯蓄事情に影響しているかもしれません。

貯蓄があれば安心して老後を迎えることができるでしょう。しかし、貯蓄ゼロであっても年金収入だけで生活費をカバーできれば日々のやり繰りは可能です。

年金暮らしは厳しいという声も聞こえてきますが、実際、老後の年金はどのくらい支給されるのでしょうか。いまのシニア世代の年金平均月額を見てみましょう。