2023年7月4日に公表された厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の48.3%が「生活が苦しい」と回答しています。
老後生活は主な収入源が年金となるため、現役時代よりも収入が少なくなる世帯が多いのでしょう。
ゆとりのある老後生活を送るためには、収入に見合った支出の中で生活したり、足りない分は貯蓄を切り崩したりする必要があります。
では、多くの方が年金生活をスタートさせる年代である「60歳代」の消費支出や貯蓄割合はどのくらいなのでしょうか。
本記事では、高齢者世帯の「平均所得」や「消費支出」「貯蓄割合」について詳しく解説していきます。
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高齢者世帯の平均所得は300万円超え
まずは、高齢者世帯の平均所得金額をみていきましょう。
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、2021年の高齢者世帯の1世帯当たりの平均所得金額は「318万3000円」となりました(【図表1】参照)。
全世帯の平均所得金額が「545万7000円」なのに対して、約200万円もの差が生じていることから、やはり老後生活においては現役時代よりも支出を抑えた生活をしていく必要があるとうかがえます。
高齢者世帯の平均所得の内訳は下記のようになっています。
- 総所得:318万3000円
- 稼働所得:80万3000円(うち、雇用者所得64万9000円)
- 公的年金・恩給:199万9000円
- 財産所得:17万2000円
- 年金以外の社会保障給付金:1万8000円
- 仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得:19万円
年金額は約200万円となっており、月にすると約16万6000円となります。
就労による収入は約65万円で、月にすると約5万4000円となります。
さらに「仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得」が月に約1万5000円、財産所得が月に約1万4000円ほど入ります。
これらの金額はあくまで平均となるため個人差は大きいですが、上記を合計すると月に約25万円ほどの収入を得ていることがわかります。
なお、同調査では雇用者所得について「※雇用者所得:世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額をいい、税金や社会保険料を含む」と定義しており、年収とほぼ同義であることがわかります。