2023年8月10日に発表された、株式会社セキュア2023年12月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社セキュア 代表取締役社長 谷口辰成 氏
2023年12月期 第2四半期ハイライト
谷口辰成氏:みなさま、こんにちは。株式会社セキュア代表取締役の谷口です。本日は、2023年12月期第2四半期の決算説明をさせていただきます。
はじめに、2023年第2四半期の業績ハイライトをご説明します。第2四半期の進捗としては、第1四半期に引き続きリプレイス案件が好調に推移したこと、中大型案件のアプローチや既存領域からデータセンター、大学、物流施設といった新領域への拡大が順調に進捗したことにより、会社計画対比で上振れて着地し、売上高は前年同期比でプラス70パーセント成長の26億3,400万円となりました。
また、営業利益は上期での投資を計画どおりに実施し、昨年の営業赤字3,400万円に対し、今期は2億100万円の営業黒字で着地となりました。
昨年より力を入れているセールス・マーケ組織の強化については、人員は上期で15名採用できており、計画対比で見ても順調に進行しています。
また、「SECURE AI STORE LAB 2.0」に関しては、AI技術を活用したレジレスによる無人店舗を7月3日にグランドオープンしました。詳細については後述します。
2023年通年の見込み、方針についてですが、下期は来期以降のさらなる成長を見据え、先行投資として人材採用やR&D、マーケティング費用への投下に積極的に踏み込んでいく計画です。
2022年に採用したメンバーの育成・成長は一定の成果を出し始めていますが、さらなる生産性・収益力の強化のために育成を徹底し、下期以降での本格貢献を期待しています。
2023年12月期第2四半期連結業績サマリー
連結業績のサマリーです。売上高は、前年同期の15億4,500万円から10億8,800万円増加して、プラス70パーセントの26億3,400万円で着地となりました。
各サービスも順調に進捗しており、入退室管理システムは7億5,200万円で前年同期比プラス51パーセント、監視カメラシステムは17億9,300万円で前年同期比プラス82パーセント、画像解析サービスは8,800万円で前年同期比プラス33パーセントと順調に成長させることができました。
販管費は、人材採用やマーケティング、R&D分野に投資を実施し、前年から1億6,200万円増の8億4,000万円となっています。営業利益は2億100万円、経常利益は1億9,700万円、当期純利益は1億6,500万円の黒字で着地しています。
2023年12月期第2四半期全体売上・売上総利益
全体の売上高と売上総利益の推移についてご説明します。第2四半期は、第1四半期に続いて中小型案件、大型案件の需要が堅調でした。また、既存領域であるオフィス、店舗、工場に加えてデータセンターや大学、物流施設といった新たな領域の拡大に向けた営業施策も順調に進捗しました。
その結果、前年同期比で70パーセントアップの26億3,400万円となり、大幅な増収を達成しました。通期計画に対しても、59パーセントと順調に進捗しています。
売上総利益率については、直前四半期より0.3ポイント改善しています。こちらについてはコロナ禍前の水準に持って行けるよう、引き続きしっかりと利益率アップの施策を実施していきたいと思います。
「SECURE AC」業績推移
個別の商品ごとの業績推移について説明します。まずは入退室管理システム「SECURE AC」です。売上高は7億5,200万円と前年同期比で大幅な増収となっています。通期計画に対する進捗率も60パーセントと計画対比でも順調に進捗しています。
小規模オフィスのセキュリティニーズはやや弱い状況のため、大企業や中堅企業へのアプローチを継続して強化しています。
第2四半期では、顔認証導入の事例も増えてきており導入数は前年同期比でプラス17パーセントとなっています。利益率の高い顔認証システムの導入については、下期以降も強化していきます。
「SECURE VS」業績推移
監視カメラシステム「SECURE VS」についてです。売上高は17億9,300万円と、こちらも「SECURE AC」と同様に前年同期比で大幅な増収となっています。通期計画に対する進捗率は59.8パーセントと、計画対比でも好調に進捗しました。
第1四半期から継続して強かった中小型案件のセキュリティニーズをしっかりと案件化し、取りこぼさずに受注できたことが結果につながったと考えています。また、ドラッグストア等の中規模面積の小売店舗やコンビニエンスストアなどの小規模店舗のセキュリティ需要は、しっかりとらえることができており、需要面も堅調に推移しています。今後も安定して収益に貢献できるよう、継続して取り組んでいきます。
「SECURE Analytics/その他」業績推移
3つ目に「SECURE Analytics/その他」です。こちらも前年対比で33.2パーセントの増収、計画対比で59.1パーセントと順調に推移しています。
営業利益増減要因分析
営業利益増減要因分析についてご説明します。昨年の営業損益は3,400万円の赤字でしたが、今期は増収の効果が大きく寄与し、前年対比で2億3,600万円増収の2億100万円での着地となりました。
成長に向けた人件費、R&Dやマーケティングなどの戦略費の先行投資については、おおむね計画どおりに実施しています。先行投資については、事業の進捗報告にてご説明します。
事業の進捗状況 セールス・マーケの強化
セールス・マーケの強化についてです。第2四半期までの採用人数は、新卒採用を含め前年末比で15名増員しており、計画対比で順調に進捗しています。
上場した効果を一番実感している分野が採用活動です。当社は上場して約1年半が経過しましたが、上場前と上場後を比べると、当社への入社を希望する優秀な人材層の比率が格段に向上したことを実感しています。
一方で、採用市場の環境が厳しいことも事実ですので、優秀な人材確保のために社内制度の充実や採用活動を強化することで、人員の増強に引き続き取り組んでいきます。
また、マーケティングについても昨年から枠組みを構築して準備していますが、現在、先行投資としてさまざまな施策を実施していますので、来年以降で成果を出せるよう、しっかりと取り組んでいきます。
拠点展開については、今年4月に新たに広島オフィスを開設しました。私どものパートナーさまやユーザーさまは全国に展開している企業さまが多いため、全国がカバーできるように今後しっかりと展開を図っていく予定です。
事業の進捗状況 パートナー企業と取り組む領域拡大
次に、パートナー企業との取り組みについての進捗です。成長戦略の1つ目の柱であるセキュリティソリューションビジネスの継続的な成長と収益力アップのため、各パートナー企業との協力体制強化に取り組んでいます。
その施策の1つとして、これまで当社の主なターゲット先だったオフィス、商業施設、工場以外の、物流施設やデータセンター、大学等といった新たな領域への拡大を通してソリューション展開を図っています。
今後も、パートナー企業との協力体制を軸に、継続的な顧客層の拡大に取り組んでいきます。
事業の進捗状況 SECURE AI STORE LAB2.0 オープン
続いて、成長戦略の2つ目の柱として取り組んでいる「SECURE AI STORE LAB」の進捗についてです。リリースでもご案内していますが、AIを活用したレジレス無人決済店舗「SECURE AI STORE LAB2.0」を、本社がある新宿住友ビルの地下1階にて7月3日にグランドオープンしました。
仕組みについて簡単にご説明すると、まず専用アプリをダウンロードして情報を登録後、アプリに表示されているQRコードをかざして入店します。AIによりカメラ映像を解析しますので、その後はお客さまには好きな商品を手に取っていただき、そのまま退店するだけで買い物が完了します。決済情報は、退店後にアプリへ通知が届く仕組みになっています。
本店舗での実証実験を通してビジネスを構築し、小売業界のみなさまのさまざまな課題解決に貢献できるよう取り組んでいきます。また、今後は新たなロケーションにおいても展開できるよう取り組んでおり、引き続きAIストア事業の推進に努めていきます。
FY2023業績見通し
通期の業績見通しです。第3四半期は第2四半期に比べて、先行投資分として5,000万円から6,000万円ほど費用を増加させる予定です。下期全体としても、状況を見据えながら先行投資を行う予定のため、通期業績予想については、前回と同様のものに据え置いています。
3つの成長戦略
最後に成長戦略についてご説明します。当社では3つの成長戦略を掲げています。1つ目は既存のセキュリティソリューションビジネスの継続的な成長と収益力アップです 。2つ目はリテールDXということで、AIストア事業の収益化です。3つ目は、大きな成長の可能性を秘めている韓国・ASEAN地域への事業展開という、この3本柱で事業成長を実現させていく計画になっています。
成長イメージ
近年、セキュリティの果たすべき役割は非常に広がってきています。生命や財産を守るということが本当に身近な問題になってきていますし、一方で企業にとっては、生命や財産を守るだけではなく、信用や評判、つまりレピュテーションなども守るべき重要な要素となってきました。
既存のセキュリティソリューションで事業基盤を固め、SaaS、AIを活用した新たなビジネスで成長を加速させ、安心安全でスマートな社会の実現を私たちは目指していきます。
今後も株主のみなさまの期待にしっかりと応えられるよう、社内一丸となって励んでいきますので、引き続き応援のほど、何卒よろしくお願いします。本日はお忙しいところ、ご視聴いただきまして誠にありがとうございました。