2023年8月14日に発表された、株式会社サイバーセキュリティクラウド2023年12月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社サイバーセキュリティクラウド 代表取締役社長 兼 CEO 小池敏弘 氏

業績の概況

小池敏弘氏:株式会社サイバーセキュリティクラウド代表取締役社長兼CEOの小池でございます。私より、2023年12月期第2四半期の決算概要およびトピックスについてご説明いたします。

まずは決算概要です。この第2四半期の売上高は累計で14億5,500万円、営業利益は3億400万円となりました。前年同期と比べると、売上高はプラス42.5パーセント、営業利益は2倍強のプラス115.2パーセントとなり、堅調に推移しています。

下期に関しては、グローバル展開の加速に向けた採用および広告宣伝投資を強化していく予定です。

ARRの推移

ARRの推移です。前年同期比プラス31.3パーセントと堅調に推移しています。今後も解約を抑えながら新しいお客さまを獲得し、引き続きこの成長を加速させていきたいと考えています。

ユーザー数の推移

ユーザー数の推移です。こちらも同じく順調に成長しており、前年同期比プラス20パーセントとなりました。

攻撃遮断くんとWafCharmの解約率

「攻撃遮断くん」と「WafCharm」の解約率です。スライドのグラフをご覧いただくとわかるとおり、解約率が若干増加しています。大きなお客さまの解約など、やむを得ない事情も多々ありますが、私どもとしては、少しでも長くご利用いただくため、今後はカスタマーサクセスを強化し、お客さまの真の課題を把握していきます。

そこから新しい製品開発やサービス提供につなげ、引き続き解約率の低位安定に努めていきます。

売上高の推移

売上高の推移です。前年同期比プラス30パーセント強と、順調に成長しています。

スライドのグラフ上段の灰色はその他収益を示しており、こちらは季節的要因によって変動するため、前四半期と比べると減少しているものの、通期の予算ベースでは順調に進捗しています。

営業費用(売上原価・販売費及び一般管理費)の推移

営業費用です。日本および米国における採用活動が順調に進捗した結果、人件費が増加しました。下半期においても、引き続き採用活動を強化していきたいと考えています。

また、第4四半期はAWS関連の大型イベントに出展予定のため、広告宣伝費は増加する予定です。

サイバーセキュリティクラウドの成長を支える従業員

従業員数についてです。エンジニアを中心に採用が順調に進んでいます。アメリカの子会社においても採用が進んでおり、従業員数は日本法人・米国法人を合わせて2023年6月末で115名となりました。

さらに、来年春には当社初の新卒採用による社員が入社します。今後もいろいろな手段を活用し採用活動を強化することで、成長をより加速させたいと考えています。

また、既存の従業員に対する活躍支援施策もどんどん打ち出しています。これにより、楽しく長く当社で働き続けることができる環境を作っていきたいと考えています。

重点施策①:紹介パートナー制度を新設し販売経路が拡大

2023年12月期第2四半期のトピックスです。1つ目の重点施策は「紹介パートナー制度」の新設です。2025年に向けた成長戦略の柱の1つである「パートナー支援の強化」ということで、当社の販売代理店や今回新設した紹介パートナーとのネットワークを強化しています。

スライド右側の図のとおり、自社の中で潤沢なリソースがないパートナーや、当社の製品をすべて提案できるほどの専門性がないパートナーでも、当社の製品を使っていただけそうなお客さまをご紹介いただくだけで、紹介手数料が支払われます。

このような新しい制度を活用し、ライトなかたちで裾野を広げ、日本全国のさまざまなお客さまに当社の製品を届けたいと考えています。

重点施策②:WafCharmの販路拡大とプランアップデート

2つ目の重点施策として「WafCharm」の販路拡大とプランアップデートを実施しました。

2022年11月に、新プランである「WafCharm for AWS Marketplace」を販売開始しました。その後、いくつかのアップデートを重ね、現在はプラン改定が一段落した段階です。

今は大きく分けて2種類のプランがあります。スライド左側の「WafCharm」に記載している「直販」とは、従来型の「人が営業して売る」販売経路です。日本とアメリカで提供しており、機能を強化したことに伴い、月額の料金も刷新しました。

スライド右側の「WafCharm for AWS Marketplace」は、EU一般データ保護規則(GDPR)にも対応しており、220ヶ国以上の地域での販売が可能になりました。また、料金も1時間単位で使えるプランに変更し、非常に始めやすくなっています。

これにより「定額プラン」と「ライトなプラン」というかたちで、幅広いニーズに対応できるようになると考えています。

重点施策③:SIDfmの販売拡大と認知度向上

3つ目の重点施策は「SIDfm」の販売強化です。この度、「SIDfm」ブランドとして初めて、大型の展示会に出展しました。これまでは「攻撃遮断くん」「WafCharm」などWAF(Web Application Firewall)製品を扱ってきましたが、今後は「SIDfm」を大きな柱にするべく、営業を強化していきます。

また今回、MSP事業者向けの新プランをリリースしました。MSP事業者とは、エンドユーザーのITシステムの保守運用や、サーバーの監視を行う事業者のことです。もともと「SIDfm」は、中規模から大規模の企業を想定して開発していたため、「少しだけ使いたい」というニーズに応えきれていない部分がありました。

この新プランは、我々とエンドユーザーの間に位置するMSP事業者もしくはSIerが一括購入し、その先にいるエンドユーザーに小分けして提供することができます。これにより、大規模なお客さまに加えて、小規模なお客さまのニーズにも対応していきたいと考えています。

中央省庁からの大きな期待を背負うサイバーセキュリティ連盟

スライドに「中央省庁からの大きな期待を背負うサイバーセキュリティ連盟」と記載していますが、2023年3月に、一般社団法人サイバーセキュリティ連盟を立ち上げました。その活動についてご紹介します。

スライド左側に記載のとおり、経済産業省のサイバーセキュリティ課の方とともに、経済産業省発行の『サイバーセキュリティ経営ガイドライン3.0』を解説するセミナーを行いました。

このガイドラインには、当社のパブリックコメントも一部反映されています。そのため、我々も当事者の意識を持ってセミナーを実施し、多数の経営者の方にご参加いただきました。

また、スライド右側に記載のとおり、厚生労働省と連携し医療機関向けのセミナーを開催しました。最近、非常に大きな社会問題となっている、医療機関向けのサイバー攻撃による被害をどのように食い止めていくかをテーマに、厚生労働副大臣の伊佐先生にもご来場いただきました。

さらに、実際に被害に遭った病院の方から非常に生々しい話を語っていただきました。その結果、サイバーセキュリティ連盟および前身団体が開催したセミナーの中でも、過去最高の集客を記録しました。

以上で、2023年12月期第2四半期の決算説明を終わります。引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

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