2. 公的年金(国民年金と厚生年金)制度をおさらい
続いて、年金収入がどの程度なのかを確認しましょう。
まずは公的年金の仕組みをおさらいします。
日本の年金制度は国民年金と厚生年金の「2階建制度」が採用されています。
国民年金だけを受給するのか、厚生年金を国民年金に上乗せして受給出来るのかが大きな違いです。
2.1 1階部分=国民年金(基礎年金)
- 加入対象:日本に住む20歳から60歳未満の方
- 保険料:一律(年度によって変更が入ります)
- 年金額:満額77万7792円(令和4年度)
2.2 2階部分=厚生年金(上乗せ部分)
- 加入対象:主に会社員、公務員など
- 保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
- 年金額:加入期間や納付保険料によって決定。
国民年金は保険料が一律のため、多く受け取るためには加入月数が重要です。
厚生年金は在職中の収入で支払う保険料が変わります。そのため、加入期間だけではなく在職中の収入も重要になります。
3. 60歳代の年金受給の月額の平均はいくらか
では実際の支給額平均を厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2020年度)」を参考に、年齢別に確認しましょう。
一般的な年金の受給開始年齢は、65歳からです。
3.1 国民年金の平均年金月額
- 60~64歳:4万2306円
- 65~69歳:5万7502円
国民年金の満額支給は6万4816円です(令和4年度)。一般的に年金が支給される65歳以降で比較すると、1万円ほど少ないことがわかりました。
3.2 厚生年金(第1号)の平均年金月額
- 60~64歳:7万5922円
- 65~69歳:14万3069円
※国民年金(基礎年金)の月額を含みます。
国民年金の平均と比較すると60〜64歳、65〜69歳いずれも多くなっています。
65歳以降では受給月額に約8万5000円の開きがあります。年間では約102万円、10年で1020万円です。年金の種類によって受給月額に大きな開きが出ることに注意が必要でしょう。
国民年金の受給者は厚生年金の受給者よりも受給月額が少ないですから、必然的に貯蓄額の重要性が高くなりますね。