2. 「将棋人口」ってどれくらい?

将棋を指す人って、どれくらいいるのでしょう?正確な数字は把握しづらいですが、公益財団法人日本生産性本部が刊行している「レジャー白書 2019」の、余暇活動に関する調査データが参考になりそうです。なお、調査対象は15歳以上79歳以下の男女です。

同書の「余暇活動への参加・消費の実態」によると、2018年の将棋の参加人口は680万人です。この数字だけではちょっとイメージしにくいかもしれませんね。囲碁・麻雀と比較しながら、過去10年間の参加人口(※3)の推移をみてみましょう。

(※3)「参加人口」の定義について
ある余暇活動を、1年間に1回以上おこなった人口(全国、推計値)。参加率に2019年1月現在の総務省統計局の推計による15~79歳人口9,988万人(男性4,962万人、女性5,025万人)を掛け合わせて推計。性年代別構成比は、性・年代別参加率に性・年代別の人口を掛け合わせて推計。(「レジャー白書2019(p11 調査仕様)」より抜粋)

公益財団法人日本生産性本部の資料をもとに編集部作成

上のグラフによると、将棋の参加人口は約680万人(2018年)。推移をみてみると、囲碁に常に2倍以上の差をつけていますが、麻雀とはいい勝負といった感じでしょうか。ちなみに、参加人口の規模が近い余暇活動を挙げると、バドミントン・登山(680万人)、ゴルフ[練習場](660万人)、洋裁・和裁(650万人)などです。何となくイメージできましたか?

次は、性別・年代別にみた参加者の割合をみていきます。

公益財団法人日本生産性本部の資料をもとに編集部作成

どの年代でも、男性>女性となっていますね。男女別の特徴をみてみましょう。女性は20代から50代にかけて緩やかに増えています。これに対し男性は、10代から50代にかけて増加・減少を繰り返し、50代から70代にかけて増加を続けています。リタイヤ後の趣味として選ぶ男性が多い、ということが推測されますね。

また、この調査は「15歳未満」は対象外。家族と指す、将棋教室に通っているなどの小中学生を含めた場合、将棋の参加(競技)人口は、先述の680万人という数字を大幅に超えると考えてよいでしょう。(約1000万人と推計されることも多いようです)

次は、同白書「余暇活動への参加・消費の実態」(2018年)から、「参加希望率」と「費用」について、囲碁・麻雀との比較もまじえながらみていきます。

2.1 参加希望率

将棋…8.4%
囲碁…4.5%
麻雀…8.6%

参加希望率は、「将来やってみたい、あるいは今後も続けたい(回答者)」とする人の割合です。ちなみに、先に挙げた「バドミントン」は7.8%、「登山」は13.8%となっています。

2.2 1回当たり費用

将棋…560円
囲碁…1,080円
麻雀…580円

2.3 年間平均費用:下段( )内は内訳

将棋…7,100円
(用具2,400円、会費等4,700円)

囲碁…2万300円
(用具9,800円、会費等1万500円)

麻雀…8,100円
(用具----、会費等8,100円)

■将棋の「年間平均費用」の推移
2012年…900円
2013年…2,300円
2014年…2,700円
2015年…6,700円
2016年…2,700円
2017年…7,100円
2018年…7,100円
(囲碁について全てのデータの記載がないため、将棋のみの掲載とします。)