SNSでは、「銀行で投資信託を買うのはダメ」という旨の投稿を目にすることがあります。
なぜこのような発言がなされるのでしょうか?本記事では、銀行で投資信託を買うデメリットなどを解説していきます。
この記事を読んでわかること
- 投資信託とは
- 銀行で投資信託を買うデメリット
- 銀行で投資信託を買うのはダメなのか?
投資信託とは
<動画でわかる投資信託のキホン>
Voice By ondoku3.com
投資信託はプロに資金の運用をおまかせできる投資商品です。
2023年現在は約6000種類の商品があり、それぞれ運用方針や主要な投資対象などが異なります。
投資家は膨大な商品数のなかから好きな商品を選んで購入するだけでOKです。後の運用は投資のプロであるファンドマネージャーにおまかせできます。
一方で投資信託には以下の手数料がかかります。
- 購入時手数料:投資信託の購入時にかかる手数料
- 信託報酬:投資信託の保有中にかかる手数料
- 信託財産留保額:投資信託の解約時(売却時)にかかる手数料
投資信託は証券口座を開設することで購入できます。
銀行で投資信託を買うのがダメだと言われるのはなぜか
「銀行で投資信託を買うのはダメ」
SNSでこのような発言を目にしたことがある方も多いでしょう。
なぜこのような発言がなされるのでしょうか?
この理由を解明すべく、本章では銀行で投資信託を買う3つのデメリットを解説します。
- 購入時手数料が高い傾向にある
- 投資信託の取扱本数が少ない
- 手数料の高い商品を勧められる
銀行で投資信託を運用するか悩んでいる方は参考にしてください。
1. 購入時手数料が高い傾向にある
投資信託の購入時手数料は、同じ商品でも販売会社(金融機関)によって異なります。
銀行はインターネット専業の証券会社であるネット証券と比べると、購入時手数料が高い傾向にあるのです。
コスト意識が高い人に対しては、銀行で投資信託を購入するのはダメと言えるでしょう。
2. 投資信託の取扱本数が少ない
投資信託のラインナップは金融機関によって異なります。
主なネット証券と銀行の投資信託ラインナップを比較してみましょう。
証券会社 |
投資信託の本数 |
SBI証券 |
2651本 |
楽天証券 |
2615本 |
松井証券 |
1703本 |
マネックス証券 |
1368本 |
三井住友銀行 |
194本 |
三菱UFJ銀行 |
591本 |
りそな銀行 |
246本 |
※2023年8月4日時点
このように銀行はネット証券と比べると、投資信託のラインナップがやや脆弱です。
豊富な商品ラインナップから運用商品を選びたい方に対しては、銀行の投資信託はダメと言えるかもしれません。
主要ネット証券各社つみたてNISAのラインナップも豊富
SBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券の4社はつみたてNISAのラインナップも豊富です。
とくにSBI証券や楽天証券は業界最多水準の取扱商品数を誇ります。
これからつみたてNISAや新NISAにおけるつみたて投資枠の利用を検討しているのであれば、上記の2社は必ず検討しておきましょう。
3. 手数料の高い商品を勧められる
銀行は日本各地にリアル店舗を構えているので、投資信託を窓口で購入することができます。
スタッフに相談しながら投資信託を購入できる点をメリットとして捉える向きもあるでしょう。
しかし、一方で銀行もビジネスとして投資信託を提供しています。
そのため、手数料の高い商品をあえて勧められる可能性もゼロではないのです。
実際、マクロミルが投資信託を含むリスク性金融商品を購入したことがある投資経験者及び投資未経験者を対象に行った調査では、以下のような結果が出ています(2019年8月9日最終結果公表)。
Q46 ここ数年の窓口、販売担当者又は金融機関自体の対応について、
不満を感じる点がありましたらお答えください。【自由記述】不満を感じている点 (回答数の多い項目)
① 顧客本位ではなく、業績重視の提案が多い
② 販売担当者の商品知識や説明力が不足している
③ 販売担当者の接客態度(親身でない等)
④ 販売担当者からの購入後のフォローがない
⑤ 勧誘がしつこい・勧誘の電話が多い・強引な勧誘
よく商品を吟味して投資信託を購入したい方や、断るのが苦手な方に対しては、銀行での投資信託の購入はダメと言えるでしょう。
【結論】銀行の投資信託はダメではないが人によってはおすすめできない
銀行で投資信託を購入するのは決してダメではありません。
店頭窓口で購入できる点はむしろメリットとも言えます。
ただし、以下のような方には銀行での投資信託購入はおすすめできません。
- 購入時手数料をなるべく少なく抑えたい方
- 豊富なラインナップから運用商品を選びたい方
- セールスが苦手な方
上記のいずれかに当てはまるのであればネット証券がおすすめです。
ネット証券は銀行に比べて投資信託の購入時手数料が安い傾向にあります。
また、SBI証券や楽天証券などの人気ネット証券であれば投資信託の商品ラインナップも豊富です。
投資信託におすすめの証券会社4選
ネット証券での投資信託運用に興味を持った方には、以下の4社がおすすめです。
- 楽天証券
- マネックス証券
- 松井証券
- SBI証券
いずれも投資信託のラインナップ、つみたてNISAのラインナップに優れたネット証券です。
独自の投資信託関連サービスも展開しているので、ネット証券での投資信託運用に興味のある方はぜひ参考にしてください。
※各データは2023年7月10日時点の情報に基づきます。
1. 楽天証券
<基本情報>
項目 |
内容 |
特徴&おすすめポイント |
・口座開設数が業界トップクラス |
IPO実績 |
65銘柄(2022年実績) |
外国株 |
6カ国(米国・中国・シンガポール・タイ・マレーシア・インドネシア) |
口座開設日数 |
最短翌営業日 |
投資信託の本数 |
2630本 |
つみたてNISA対応本数 |
192本 |
楽天証券は900万口座の開設実績を誇る日本屈指の証券会社です。
楽天カードを使って投信積立を行うと、ポイント還元率最大1%で楽天ポイントが貯まるほか、投資信託の購入にも楽天ポイントを利用できます。
そのため普段から楽天ポイントを貯めている方におすすめのネット証券会社です。
また、楽天証券と楽天銀行を連携するマネーブリッジを利用すれば、楽天銀行の普通預金金利が最大0.1%になるのも魅力的。株の購入時には、証券口座の不足分が楽天銀行の普通預金残高から自動入金される自動入出金(スイープ)サービスも便利です。
おすすめポイント
- 1日100万円までの取引なら手数料無料(国内株)
- 楽天カードで投資信託を購入すると楽天ポイントがたまる
- 投資信託の購入に楽天ポイントが使える
- 充実のつみたてNISAラインナップ
- 楽天銀行との連携で普通預金金利が0.1%にアップ
2. マネックス証券
<基本情報>
項目 |
内容 |
特徴&おすすめポイント |
米国株・中国株に強い&IPOの抽選が完全平等 |
IPO実績 |
62銘柄(2022年実績) |
外国株 |
2カ国(米国・中国) |
口座開設日数 |
最短翌営業日 |
投資信託の本数 |
1362本 |
つみたてNISA対応本数 |
169本 |
※2023年7月10日時点
マネックス証券は米国株と中国株両方の銘柄を広く取り扱っている証券会社です(米国株の現物取扱銘柄数は5000超、中国株は2000銘柄超)。
投信サービスも魅力的であり、マネックスカードを使って投資信託の自動積み立てを行うと、ポイント還元率1.1%でマネックスポイントが貯まります。
たまったポイントは投資信託の買付や他社ポイントへの移行などに利用可能です。
さらにマネックス証券は、IPO抽選が完全平等なのも魅力の1つ。
証券会社によっては預かり資産の量などによって当選しやすさが決まるため、投資初心者がいきなり当選するのは簡単ではありません。その点、完全平等な条件で抽選されるマネックス証券なら、他の証券会社より当選しやすいでしょう。
3. 松井証券
<基本情報>
項目 |
内容 |
特徴&おすすめポイント |
25歳以下は国内株式の取引手数料が無料 |
IPO実績 |
54銘柄(2022年実績) |
外国株 |
1カ国(米国) |
口座開設日数 |
最短当日 |
投資信託の本数 |
1697本 |
つみたてNISA対応本数 |
190本 |
松井証券は25歳以下の国内株取引手数料を無料としているため、若い方には特におすすめです。
また、投資信託の信託報酬が0.3%(税抜き)を超える場合については、(保有額の)最大0.85%をポイントや現金で還元しており、投資信託のコストを安く抑えたい人にも合った証券会社と言えるでしょう(投資信託 毎月ポイント・現金還元サービス)。
サポート体制も高く評価されており、HDI-Japan(ヘルプデスク協会)が主催する「2022年度問合せ窓口格付け(証券業界)」では、「問合せ窓口」と「webサポート」の両部門で12年連続の「三つ星」(最高評価)を獲得しています。
4. SBI証券
<基本情報>
項目 |
内容 |
特徴&おすすめポイント |
取扱商品ラインナップが豊富で手数料が低い |
IPO実績 |
117銘柄(2022年実績) |
外国株 |
9カ国(米国・中国・シンガポール・タイ・マレーシア・インドネシア・ロシア・韓国・ベトナム) |
口座開設日数 |
最短翌営業日 |
投資信託の本数 |
2660本 |
つみたてNISA対応本数 |
197本 |
※2023年7月10日時点
SBI証券は、2023年中に国内株の手数料無料化を目指しており、コスト意識が高い人であれば注目必須の証券会社です。
国内株はもちろん、米国株をはじめ世界9カ国の銘柄に投資できます。米国株の取扱銘柄数は5600銘柄超で主要ネット証券最高水準(2023年1月30日時点)。
国内株は0円から取引可能であり、IPO取り扱い銘柄数も主要ネット証券の中ではダントツの実績を誇っています(主要ネット証券とはSBI・楽天・松井・マネックス・auカブコムの5社)。
また、投資信託のサービスも充実しており、保有額の最大0.25%がPontaポイントやTポイントとして還元されるほか、投資信託の購入には「Tポイント」「Pontaポイント」「Vポイント」を1ポイント1円として利用できるので、少額から投資したい方にも最適です。
投資信託の購入に三井住友カードを利用すれば、最大5%のポイント還元が受けられ、たまったVポイントは1ポイント1円で投資信託の買付に利用できるほか、景品との交換やキャッシュバックサービスにも使えます。
参考資料
- 投資信託協会「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー」
- 金融庁「つみたてNISAの概要」
- 金融庁「新しいNISA」
- 金融庁「事務局説明資料(「顧客本位の業務運営」の取組みのこれまでの振り返りと課題)」
- SBI証券公式サイト
- 楽天証券公式サイト
- 松井証券公式サイト
- マネックス証券公式サイト
- 三井住友銀行公式サイト
- 三菱UFJ銀行公式サイト
- りそな銀行公式サイト
まとめ
- 銀行で投資信託を買うのは「ダメではない」
- ただし、「①投資信託の購入時手数料を抑えたい方」「②豊富なラインナップから運用商品を選びたい方」「③セールスが苦手な方」には向かない
- 上記①~③に当てはまる方は、楽天証券などの人気ネット証券がおすすめ
久保田 雅大