4. 老後の生活費はいくらを見込むか
年金収入の範囲に支出を抑えられれば、赤字になることはありません。
では生活費はどれくらいかかるのでしょうか。持ち家か賃貸、子世帯への支援の有無、居住地などによっても異なるため、個人でシミュレーションしてみることが大切です。
参考までに、今の65歳以上世帯の支出平均額をご紹介します。
総務省統計局の公表したデータによると、二人以上世帯の支出額は月額26万8508円、このうち消費支出は23万6696円でした。
この金額を年金で賄おうとすると、夫婦ともに厚生年金に加入している必要があるでしょう。
自営業の夫婦世帯、あるいは専業主婦やパート世帯である場合、年金だけで賄うのは難しいため、生活費を下げたり他の収入源を確保する必要があります。
5. 年金以外にも準備が必要?
平均的な年金額を受け取ったとしても、赤字になる可能性が高いとわかりました。
もちろん、年金受給額や生活費は人それぞれ異なりますが、どんなことがあっても対処が出来る準備は必要でしょう。
まずは、ご自身の想定年金額を知るところから始めてみましょう。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を使うことで、ご自身の年金受給額がわかります。
次に、生活費です。手間はかかりますが、まず家計簿を付けると良いでしょう。
一昔前はノートなどに記入をするのが主流でしたが、現在はスマートフォンの普及により、アプリで家計簿を付けることができます。
現在の生活費も把握することができますし、必要なものと無駄なものを見分けられるタイミングにもなります。
この年金額と生活費を把握した後に、今のままで老後生活を豊かに送ることができるのかを考えましょう。
大半の方々は生活費のほうが多くなってしまい、赤字になってしまうかと思います。
そんな方々は、今のうちから老後生活に向けた準備が必要です。例えば、貯金や資産運用など老後生活に向けた準備方法はたくさん存在します。
自分自身の性格や現状に合った方法を選択し、継続することが老後生活を不自由なく生活することに繋がります。
6. 「年金だけで生活」は昔の話。先を見据えた行動をしよう。
今回は高齢者の方々が受け取れる年金額や生活費についてお話をしていきました。
高齢になってまで「お金について悩みたくない!」と思う方は多いでしょう。
今後は物価上昇や年金受給額の減少など私達にとってマイナスに働くことが増える世の中になっていくことも考えられます。
仮にそのようになった場合でも、余裕がある生活を送れるように、今のうちから準備をしていくことがより一層必要になっていきます。
貯金や資産運用などたくさんの方法があるので、どんな方法が合うかを考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省「統計からみた我が国の高齢者」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」
長井 祐人