2. 年金から天引きされるもの5つ
年金からは、会社員の給料と同様に社会保険料や税金が天引きされます。
年金から天引きされる、税金や社会保険料は以下のとおりです。
- 介護保険料
- 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料
- 所得税
- 復興特別所得税
- 個人住民税
合計で5つの税金と社会保険料が天引きされる仕組みです。天引きされる金額は、年金の額面金額などによって異なります。
また、年金額が少ない人は税金が発生しない場合もあります。
3. 「年金月額15万円の人」実際の手取りはいくらか
年金から天引きされる税金と社会保険料の種類を確認しましたが、実際にどれくらいの金額が天引きされるのでしょうか。
今回は年金「月15万円」を受け取る人でシミュレーションしてみましょう。以下の条件でシミュレーションします。
- 東京都練馬区在住の独身70歳
- 65歳から年金受給を開始していて、収入は年金のみ。
- 基礎控除と公的年金控除・社会保険料控除のみを適用
シミュレーション結果は以下のとおりです。
3.1 年金月額15万円(年額180万円)にかかる税金と社会保険料
額面 年180万円(月15万円)
- 所得税(復興特別所得税含む) 年3000円
(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー48万円(基礎控除)ー約17万1000円(社会保険料控除))×5.105%(所得税率)
- 住民税 年1万2000円
(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー43万円(基礎控除)ー約17万1000円(社会保険料控除))×10%(住民税率)ー2500円(調整控除額)+5000円(均等割額)
- 国民健康保険料 年8万6000円
- 介護保険料 年8万5000円
手取り 年161万4000円(月13万5000円)
180万円ー3000円(所得税)ー1万2000円(住民税)ー8万6000円(国民健康保険料)ー8万5000円(介護保険料)
額面月15万円に対して、手取りは月に約13万5000円です。
手取り率は約90%となっています。
内訳をみると、国民年金保険料と介護保険料が高額です。一方で、所得税や住民税などはそこまで高くありません。
具体的に差し引かれる税金と社会保険料の金額は、毎年6月に送付される「年金振込通知書」で確認が可能です。