2. 70歳代のおひとりさまの貯蓄はいくら?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」より、70歳代単身世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
70歳代・単身世帯の貯蓄(平均・中央値)
- 平均額:1433万円
- 中央値:485万円
- 貯蓄ゼロの割合:28.3%
- 貯蓄2000万円以上の割合:24.3%
70歳代の平均貯蓄額は1433万円ですが、より実態に近い中央値は485万円と大きな差があります。
貯蓄2000万円以上が24.3%と4分の1近くを占めるため、平均額が引き上げられたと推測できます。貯蓄ゼロ世帯も30%近いため、実際には生活が苦しい人も多いのではないでしょうか。
70歳代単身世帯の貯蓄状況は、蓄えのある人とない人の格差が大きいことがわかります。
3. 70歳代の年金受給額はいくら?
以下は厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、70歳代の年齢ごとの厚生年金受給者と国民年金のみ受給者の平均年金月額の表です。
厚生年金受給者は14万円から15万円、国民年金のみの受給者は6万円弱が平均的な年金収入です。
3.1 高齢単身世帯の生活費は?
総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」より、65歳以上の単身無職世帯の支出は以下のとおりです。
- 消費支出:14万3139円
- 非消費支出(税金・社会保険料):1万2356円
- 支出合計:15万5495円
先述した厚生年金受給者の年金額でも支出合計を下回り、公的年金だけで生活するのは難しいことがわかります。
国民年金のみの受給者は毎月10万円以上の不足額が発生するため、貯蓄や就労による穴埋めが必要です。仮に貯蓄がゼロであれば70歳代でも働いて、最低限の生活ができる収入を得なければならないでしょう。