今年も連日の35度オーバーで熱中症対策の重要性を改めて感じています。
「熱中症対策」と言えばこまめな水分補給とエアコンを使うことが主な対策ですが、今年の夏も電気代が下がるニュースは聞こえてきません。
ロシアとウクライナの戦争が始まってからの値上げラッシュで、我々の生活は確実に苦しくなってきています。しかし、年金受給者はそう簡単に収入を増やせるものではありません。
そんな中、2023年度の年金額は、前年度から引き上げとなりました。
現役世代の中には、ご存じでない方も少なくないと思いますが、公的年金の受給額が引き上げられるのは、実に3年ぶりです。
たしかに受給額は増えましたが、ここ最近の物価上昇を考えると、それだけで上昇分が賄えているようには思えません。
実は、我々の年収だけではなく、年金受給額にも大きな格差があります。
本記事では、いまのシニア世代の「国民年金」と「厚生年金」の受給額を、60~90歳の1歳刻みで見ていきます。老後に向けた資産形成の参考に、年金暮らしの実際の様子を確認していきましょう。
1.【国民年金・厚生年金】日本の年金制度のおさらい
まずは簡単に、日本の公的年金制度について確認しておきます。
日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」による「2階建て」と呼ばれる構造になっています。
1階部分の「国民年金」は、原則、日本に住む20歳~60歳未満の人が加入する年金です。2階部分の「厚生年金」は、厚生年金適用事業所に一定時間以上勤める方が加入するもので、国民年金の資格を含みます。
学生やフリーランス、自営業者などの「第一号被保険者」は、毎月保険料を自分で納めます。保険料は収入の有無や年収などに関わらず一律で、年度ごとに見直しが行われます。
ちなみに、2023年度の国民年金保険料は月額1万6520円です。
会社員や公務員など厚生年金に加入する「第二号被保険者」は、毎月の保険料を会社と折半で負担し、給与天引きにより支払います。保険料は給与や賞与などの報酬によって算出されるため人によって納付額が異なります。
専業主婦など第二号被保険者に扶養される「第三号被保険者」は、「国民年金」に該当しますが、個人として保険料を負担する必要はありません。
老後には、国民年金の人は「老齢基礎年金」を、厚生年金などに加入していた人は老齢年金に加えて老齢厚生年金を受給します。