年金は偶数月の15日に支給されるため、この8月は6月以来の年金支給月となります。

年金受給額は各世帯で異なりますが、世帯によっては8月15日に夫婦で合計「約45万円」支給されるところもあるようです。

しかも、厚生労働省の資料では「標準的な夫婦」とされているため「年金ってこんなに支給されるの?」と思ってしまうかもしれません。

しかし、これは標準的な夫婦のモデル年金から算出した金額であり、必ずしも上記の金額が受給できるわけではありません。

では、どのような夫婦世帯が、年金「約45万円」を受け取れるのでしょうか。

本記事では、平均的な年金受給額と、年金「約45万円」支給される夫婦モデルについて解説していきます。

「公的年金の仕組み」や「実際の年金支給額」についても解説しているので、老後準備の参考にしてください。

1. 公的年金「厚生年金と国民年金」はどのような仕組み?

まずは公的年金である「国民年金」と「厚生年金」について、おさらいしておきましょう。

日本の公的年金制度は「2階建て構造」となっており、下記図のように「厚生年金」と「国民年金」が存在します。

国民年金は、20歳から60歳未満の日本に住む国民全員が原則として加入するもので、保険料は一律となっています。

40年間保険料を納付すれば、国民年金(老齢基礎年金)は満額受け取れ、2023年度の満額は「月額6万6250円(67歳以下の場合)」です。

一方で厚生年金は、国民年金の上乗せとして主に公務員やサラリーマンなどの「第2号被保険者」が加入するもので、保険料は報酬比例制となっています。

これにより、多く稼いだり長く加入していたりするほど、受け取れる受給額が高くなる仕組みです。

国民年金の保険料は一律であるのに対して、厚生年金は報酬比例制となっていることから、受け取れる額の個人差が激しくなっています。

1.1 2023年度「標準夫婦」は公的年金をいくらもらえる?

厚生労働省によると、2023年度の年金額は厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)として22万4482円(月額)と発表されました。

「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準」との注釈があり、あくまでもモデルケースでの例示となっています。

ちなみに、1人分の国民年金(老齢基礎年金)は満額で6万6250円(月額)。

2022年度と比較すると、2023年度の年金額は国民年金も厚生年金も増額していることがわかります。

2. 8月15日に年金「約45万円」が支給される標準夫婦とは

2023年度の年金額の例を参考にした場合、8月15日の年金支給日に「約45万円」受け取れる夫婦がいますが、「なぜ45万円も?」と思った方もいるかもしれません。

年金支給は偶数月の15日に行われ、近日であれば8月15日に「2ヶ月分」の振り込みがされます。

つまり、厚生労働省が提示する標準的な夫婦の場合「22万4482円×2ヶ月分」が支給されるため、約45万円受け取れることになるのです。

支給日に「約45万円も年金がもらえる」と聞くと、「多い」「羨ましい」と思うかもしれませんが、これは夫婦二人分の2ヶ月分であるため、月額の一人分に換算するとそこまで多い金額とも言えません。

さらに気をつけたいポイントとして、約45万円は手取り額ではないため、実際にはここから税金や保険料が天引きされて支給されます。

額面が約45万円であっても、実際の生活費に使える金額はこれよりも少ないため注意しましょう。

実際に使える振込額を確認したい場合は、年金振込通知書で確認が可能です。

なお、厚生年金の加入期間や夫婦の公的年金の加入状況によって、受け取れる金額が変わってくるため、より詳細な金額を知りたいという方は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を確認しましょう。

3. 実際の「厚生年金」と「国民年金」の平均支給額はいくら?

前章でお伝えした年金額の例は、あくまでモデルケースの一例であるため、全員がその金額を受け取れるわけではありません。

では、実際の「厚生年金」と「国民年金」の平均支給額はいくらなのでしょうか。

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額は「14万3965円(※国民年金部分も含む)」で、男性は「16万3380円」、女性は「10万4686円」となっています。

3.1 厚生年金の月額

厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数は下記のようになっています。

  • 1万円未満:9万9642人
  • 1万円以上~2万円未満:2万1099人
  • 2万円以上~3万円未満:5万6394人
  • 3万円以上~4万円未満:10万364人
  • 4万円以上~5万円未満:11万1076人
  • 5万円以上~6万円未満:16万3877人
  • 6万円以上~7万円未満:41万6310人
  • 7万円以上~8万円未満:70万7600人
  • 8万円以上~9万円未満:93万7890人
  • 9万円以上~10万円未満:113万5527人
  • 10万円以上~11万円未満:113万5983人
  • 11万円以上~12万円未満:103万7483人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5237人
  • 13万円以上~14万円未満:91万8753人
  • 14万円以上~15万円未満:93万9100人
  • 15万円以上~16万円未満:97万1605人
  • 16万円以上~17万円未満:101万5909人
  • 17万円以上~18万円未満:104万2396人
  • 18万円以上~19万円未満:100万5506人
  • 19万円以上~20万円未満:91万7100人
  • 20万円以上~21万円未満:77万5394人
  • 21万円以上~22万円未満:59万3908人
  • 22万円以上~23万円未満:40万9231人
  • 23万円以上~24万円未満:27万4250人
  • 24万円以上~25万円未満:18万1775人
  • 25万円以上~26万円未満:11万4222人
  • 26万円以上~27万円未満:6万8976人
  • 27万円以上~28万円未満:3万9784人
  • 28万円以上~29万円未満:1万9866人
  • 29万円以上~30万円未満:9372人
  • 30万円以上~:1万4816人

厚生年金は加入期間や納付額によって年金額が大きく変わるため、受け取れる年金額にバラつきが生じています。

3.2 国民年金の月額

一方で、国民年金の平均月額は「5万6368円」で、男性は「5万9013円」、女性は「5万4346円」となっています。

国民年金月額階級別の老齢年金受給者数は下記のようになっています。

  • 1万円未満:7万27人
  • 1万円以上~2万円未満:28万4152人
  • 2万円以上~3万円未満:90万3006人
  • 3万円以上~4万円未満:274万9550人
  • 4万円以上~5万円未満:463万6048人
  • 5万円以上~6万円未満:791万730人
  • 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
  • 7万円以上~:187万2466人

国民年金の保険料は一律となっていることから、受給額に大きな差は見られず、5万円〜7万円の割合が多くを占めています。

4. 正確な年金額を把握しておこう

本記事では、平均的な年金受給額と、年金「約45万円」支給される夫婦モデルについて解説していきました。

8月15日の年金支給日に「約45万円」が支給されると聞くと、「高い」「羨ましい」と思うかもしれませんが、これは「夫婦二人の2ヶ月分」の支給額であるため、一人分の1ヶ月分で換算した場合は決して高い金額とは言えないでしょう。

さらに、実際に受け取れる手取り額は、ここから税金や保険料が引かれた金額となっているため、少なくなります。

「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」では、正確な手取り額がわからないため、正確な手取り額がしりたい場合は「年金振込通知書」を確認すると良いでしょう。

なお、本記事を読んで「年金だけでは生活が苦しいかも」と感じた方は、今のうちから老後資金の準備をしておけると良いです。

最近では、少額から始められるNISAやiDeCoといった資産運用を支援する制度も拡充されてきているため、それらを利用して着実に老後資金を貯めていきましょう。

参考資料