日経平均は2日間で1300円あまり下げる
2023年8月4日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比33円47銭高の3万2192円75銭となりました。3日ぶりの反発です。
3日の米株式市場でダウ工業株30種平均、ナスダック総合株価指数が続落したことを受けて、日本株も朝方は売られる展開となりました。ただし、前日までの2日間で1300円あまり下げていたこともあって、下値では押し目買いも入りました。また、日本時間4日夜に7月の米雇用統計の発表を控えていることから全般的に様子見傾向の小幅な値動きとなりました。
今週、日経平均はどのような値動きになるでしょうか。その雇用統計ですが、非農業部門の雇用者数の伸びは18万7000人増と市場予想(20万人増)を下回りました。一方で、平均時給の前年同月比の上昇率は4.4%で、市場予想以上(4.2%)でした。この結果を投資家がどう受け取るかによって相場の動きも決まります。市場ではインフレ傾向が続くと見られ、それにより米連邦準備理事会(FRB)による利上げが継続するという警戒感が広がりました。
株式市場も売りが広がり、4日の米株式市場ではダウ平均は前日比150ドル27セント安の3万5065ドル62セントで終えました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日続落しています。日本株も週初から上値の重い展開になりそうです。
4日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比75銭円高・ドル安の1ドル=141円70~80銭で取引を終えています。若干の円高・ドル安となりましたが、足元ではドル高傾向が続いています。7月28日には日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の柔軟化を発表しました。それにもかかわらず、ドル買い、円売りが進んでいます。
円安・ドル高は自動車・機械など輸出関連銘柄にとっては追い風となりますが、食品など原材料が値上がりするため消費者の負担増にもつながりかねません。
国内では企業決算の発表が相次いで行われます。業績に応じて一喜一憂するような動きになりそうです。10日には米消費者物価指数(CPI)が発表されます。今月下旬には米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開かれます。
25日線移動平均線を再度割り込む
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は25日移動平均線付近で上値を抑えられており、ここから上抜けることができるかどうかがポイントでした。実際には週初7月31日に25日線を上抜けると、翌8月1日にはさらに陽線となりました。このまま上放れが期待されましたが、2日(水)に大きな陰線となって25日線を再び割り込むと、週末には窓をあけてさらに下落してしまいました。直近の上値メドだった6月19日の高値(3万3772円)も超えることができませんでした。
今後の展開はどうなるでしょうか。直近の戻り高値まで達することができず、再度25日線を割ってしまったのは少し心配なところです。ただ、下値についても直近の押し安値である7月12日の安値(3万1791円)を割っていません。ここを割り込むと、6月19日の高値を始点とする下降トレンドが強く意識されるようになります。今週、7月12日の安値を下回るようであれば、短期的には目線を下に持たざるを得なくなります。
現状は、3月下旬からの急上昇一服といったところです。利益確定売りも出やすく、しばらく、3万2000円~3万3000円でもみ合うことも考えられます。まずは、25日線の回復を確認したいところです。それまでは様子見でもいいでしょう。
参考資料
下原 一晃