8月6日から22日までの17日間(雨天順延あり)行われる、第105回全国高等学校野球選手権大会。全国49代表のうち、私立40校、公立9校となりました。「私学全盛」といえる昨今、公立が勝ち上がるには厳しい時代となっています。
甲子園に出場できなかった高校は現在、1、2年生で新チームを作り、秋季大会に向けた練習を行っています。私立ほど、選手が集められない公立が勝つためにはどうすれば良いのか。
全国屈指の激戦区・千葉県で存在感を示す四街道高校に足を運び、現場の今を追ってきました。
千葉の公立の中でも存在感を示す「四街道高校」
158校(141チーム)が出場した夏の高校野球千葉県大会でベスト16に残った公立校は、市立船橋高校、市立習志野高校、幕張総合高校の3校です。県立高校で見ると、幕張総合のみ。
今回取材をした四街道高校は、1951年に創立された県立高校。地元住民からは、「四高(よつこう)」の愛称で親しまれています。
JR四街道駅から徒歩10分という便利な立地ながら、敷地面積は5万8000㎡と県内屈指の広さを誇り、野球部専用グラウンドも完備しています。
野球部は2018年・夏の西千葉大会でベスト8。2021年には秋の千葉大会で、甲子園・春夏連続出場中だった専大松戸高校に勝利するなど、千葉県の公立の中では頭が一つ抜けた存在と言えるでしょう。
新チームは51人(1年30人、2年13人、マネージャー8人)とかなりの大所帯で、甲子園初出場に向けて練習を行っています。
指導する古谷健監督は、県立佐倉南高校でベスト16を経験。その後は、県立成田国際高校を率いた実績を持ちます。選手の自主性を尊重する監督で、公式戦での木製バットの使用や投手の分業制など、これまでの常識にとらわれない柔軟な指導を行ってきました。