3.まずは自身の年金見込額を知ることから
さて冒頭にも触れた通り、65歳以上の単身シニア世帯の月の生活費は14万4747円。これを自身でクリア出来ているのは1割以下という厳しい結果となりました。
年金額や貯蓄額は人によって個人差があります。また年金の給付水準自体は物価や賃金を考慮して、年度ごとに見直しが行われます。
現時点で自分が将来どれくらいの老齢年金を見込めるか知りたい方は、「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」を使ってみるのがおすすめです。
老後対策の第一歩としてまずは自分の年金額を把握してみましょう。
4. 何事も「早めのスタート」が肝心です
今回は女性の公的年金事情を眺めてきました。止まらぬ物価高、少子高齢化による働き手の不足。今後の日本経済を取り巻く環境はさらに深刻化していくと言われています。
毎月の生活費を今一度整理してみてはどうでしょうか。
おそらく将来的に年金収入だけでは不足を感じる方が多いでしょう。
ではどのように不足分を準備したらいいのか。低金利の日本ではどんなに時間をかけても効率的に資産を増やすことはもはや不可能です。
そこで活用していきたいのがお金に働いてもらうこと=資産運用です。
貯蓄とは異なり、資産運用にはリスクがともないます。大切なことは「長期・分散・積立」の3つのポイントをおさえることです。
リスクの許容度も人それぞれです。今は国も自助努力を後押しする仕組み、制度を用意してくれていますので、メリット・デメリットをきちんと把握した上でご自身に合った方法を取り入れてみてください。
スタートは何事も早いに越したことはありません。無理なく時間を味方につけて将来のセカンドライフを楽しんで迎えましょう。
参考資料
- 内閣府「男女共同参画社会に対する世論調査」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2022年12月)」
笹村 夏来