日本人の平均寿命が延び、「人生100年時代」と言われている中、誰もが気になるのが老後の年金額です。
セカンドライフでゆとりある暮らしをするためには、一定のお金が必要ですが、年金はいくらもらえるのでしょうか。
今回は、今のシニア世代が受給する「厚生年金と国民年金」の平均額な月額と、安心した老後を迎えるための対策についてお話していきたいと思います。
1.【老齢年金】国民年金と厚生年金のしくみを理解しよう
日本の公的年金は「厚生年金と国民年金」からなる「2階建て」の構造になっています。
1.1 国民年金(老齢基礎年金):1階部分
国民年金は、原則、日本に住む20~60歳未満の方が加入する年金です。保険料は一律であるため、受給額に大きな差はありません。
ちなみに2023年度の保険料は1万6520円(月額)です。
ただ、ここで注意していただきたいことがあります。
公務員や会社員である第2号被保険者は、後述する厚生年金保険料に含まれているため、国民年金の保険料を単独で支払う必要はありません。
国民年金を単独で支払うのは、自営業やフリーランスなど「第1号被保険者」の方になります。
また、会社員等の扶養である配偶者(第3号被保険者)については、保険料納付の義務がないことも押さえておきましょう。
1.2 厚生年金(老齢厚生年金):2階部分
公務員や会社員などの第2号被保険者は、国民年金に上乗せして2階部分の厚生年金にも加入します。
現役時代の報酬に応じた等級で厚生年金保険料が決定し、加入期間や納めた保険料によって、将来受け取れる年金額が変わってきます。
このような仕組み上、国民年金と比べると、個々によって受給額が大きく変わることが特徴的です。
若い世代では、ご自身の年金種類を把握していないという方もいるようです。保険料や将来の年金額が大きく異なりますので、「国民年金」か「厚生年金」か把握しておきましょう。
2.【次は8月15日】年金支給は2ヶ月に1回だけ
国民年金や厚生年金は、原則として2ヶ月に1回のペースで振り込まれます。基本的に偶数月の15日に振込となるため、次は8月15日(火)です。その次は10月ですが、10月15日は日曜日となりますので、直前の平日となる10月13日(金)に前倒しされます。
現役時代の方は毎月、給与を受け取っていると思いますが、年金は毎月の支給ではないため戸惑うことがありそうですね。
ちなみにその月に支給される年金は、以下の通りになります。
たとえば、2023年6月15日に振り込まれた年金は、4月分と5月分だったということになります。
このように、年金は対象月と支払月がずれることに注意しましょう。
3.「厚生年金と国民年金」いまのシニアの実際の受給額はいくら?
では、本題である国民年金と厚生年金はいくらぐらい支給されているのかを見ていきましょう。
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、2021年度末時点での平均的な支給額を知ることができます。
3.1 厚生年金の受給額
〈全体〉平均年金月額:14万3965円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3380円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4686円
※国民年金の金額を含む
【厚生年金・年金月額階級別の受給者権数】
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
3.2 国民年金の受給額
〈全体〉平均年金月額:5万6368円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9013円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4346円
【国民年金・年金月額階級別の受給者権数】
- 1万円未満:7万27人
- 1万円以上~2万円未満:28万4152人
- 2万円以上~3万円未満:90万3006人
- 3万円以上~4万円未満:274万9550人
- 4万円以上~5万円未満:463万6048人
- 5万円以上~6万円未満:791万730人
- 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
- 7万円以上~:187万2466人
国民年金は保険料が一律であるため、受給額に大きな差は生まれません。6~7万円未満の年金を受給されている方が多いですね。
一方で厚生年金は、現役時代の収入や加入期間、納めた保険料によって年金額が変わってくるため、受給額にバラつきがみられますね。
平均は14万3965円ですが、あくまでも参考程度に見ておきましょう。
ご自身のおおよその受給額を把握したい方は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することができます。
4. 年金生活に向けた早めの老後対策を
年金が老後の収入の柱になることは間違いない事実ですが、豊かなセカンドライフを過ごすには、決して十分な金額ではないことがおわかりいただけたでしょう。
さらに、少子高齢化が進むことで、受け取れる年金が今後減っていくことも予想されます。
こうした事態に対応するには、早めの老後資産づくりが大切になってきます。
資産運用で老後資金になるお金を増やしておくことも、大きな対策のひとつです。つみたてNISAやiDeCoなどは、金融庁推奨の制度で、対象商品は長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託などに限定されており、比較的低リスクで始められます。
ただし、投資には「元本割れ」などのリスクもあります。デメリットもきちんと理解したうえで自分に合った手段を選ぶようにしましょう。
5. まとめにかえて
今回は今のシニア世代が受給する「厚生年金と国民年金」の平均額な月額を見ていきました。厚生年金の受給額は個人差がありますが、少子高齢化によってさらに受給額が減ることを予想すると、年金だけでは安心と言い難い状況でしょう。
安心した老後生活を迎えるには、やはり公的年金以外の老後の収入対策を考える必要がありそうですね。
まずは自分自身がどのくらいの年金をもらえるのかを把握することが、老後対策の第一歩となります。様々な方法がある中で、自分に合った老後の備え方について情報収集してはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
菅原 美優
