総務省消防庁は2023年5月1日から毎週火曜日に「夏期における熱中症による救急搬送人員の調査」を発表しています。今回は8月1日に発表された7月24日~7月30日の期間における調査結果を前年データと比較しながら紹介します。
【熱中症情報/総務省消防庁】2023年の救急搬送数推移
2023年7月24日~7月30日の熱中症による救急搬送数は1万1765人(速報値)でした。前週(7月17日~7月23日)の9190人から増加し、今年度の観測期間中としては最多を更新しました【図参照】。
参考に2022年の推移表をみてみると、6月27日~7月3日に1万4629人という異常値があるものの、それを除く最多人数は7422人。2023年最新週の1万1765人がいかに多い数字か分かります【図参照】。
【熱中症情報/総務省消防庁】救急搬送数の前年同期比
2022年同期間(7月24日~30日)における熱中症による救急搬送数は6679人(確定値)なので、1万1765人は前年比1.8倍となります。都道府県別では和歌山県、熊本県、鹿児島県、沖縄県を除く地域で前年を上回っています【図参照】。
これまで累計では2022年が2023年を上回っていましたが、最新週を含めた5月1日~7月30日の累計では、2023年の速報値が4万4974人(速報値)/2022年が4万4666人(確定値)と逆転しています。
【熱中症情報/総務省消防庁】救急搬送状況
年齢区分
2023年7月24日~7月30日の熱中症による救急搬送者の年齢区分の構成は以下の通りです。
- 乳幼児(生後28日以上7歳未満):79人(0.7%)
- 少年(満7歳以上18歳未満):1083人(9.2%)
- 成人(満18歳以上65歳未満):3959人(33.7%)
- 高齢者(満65歳以上):6644人(56.5%)
初診時における傷病程度別
初診時における傷病程度の構成は以下の通りです。
- 死亡:18人(0.2%)
- 重症(長期入院):275人(2.3%)
- 中等症(入院診療):3651人(31.0%)
- 軽症(外来診療):7643人(65.0%)
- その他(医師の診断がない、傷病程度が不明など):178人(1.5%)
発生場所
発生場所の構成比は以下の通りです。
- 住居:5014人(42.6%)
- 仕事場1(道路工事現場、工場、作業所など):1253人(10.7%)
- 仕事場2(田畑、森林、海、川など、農・畜・水産作業者のみ):192人(1.6%)
- 教育機関:379人(3.2%)
- 公衆(屋内):974人(8.3%)
- 公衆(屋外):1409人(12.0%)
- 道路:1997人(17.0%)
- その他:547人(4.7%)
【熱中症情報/総務省消防庁】リスクを下げるための対策
熱中症は「気温が高い、湿度が高い、風が弱い」などの環境だけでなく、「汗が出ない、皮膚から逃げる熱が少ない、活動で体温が上昇する」といった体の変化や、「激しい運動、長時間の屋外作業、水分不足」などの行動も発症の要因となります。
リスクを下げる対策としては、「涼しい服装を心がける」「日傘や帽子で直射日光を避ける」「こまめに水分や塩分を補給する」「エアコンなどで室内の温度を調整する」などが挙げられます。
また、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」も対策として有効なので、本格的な暑さが到来する前に軽めの運動などの行動を習慣化するのもよいでしょう。
参考資料
大蔵 大輔