住宅ローン【金利プラン】特徴を押さえてプランを選択
住宅ローンは、金利だけでなく、借入額や返済期間、住宅ローン控除などさまざまな要素を考慮して最適なプランを選ばなければいけません。誰かにとっての最適なプランが、自分にとって最適ではないケースもあるでしょう。
各金利プランの特徴を理解して、ご自身の資金計画と照らし合わせて利用するプランを決めましょう。
住宅ローン【全期間固定型】のポイント
全期間固定型は、最終返済まで金利が変わりません。返済期間中に長期金利が上昇しても金利も返済額も変わらないので返済計画が立てやすいのが大きなメリットです。
これからどのくらい必要になるのか分からない子どもの教育費のために、できる限り支出額を固定しておきたいといった場合には、全期間固定型が安心かもしれません。
ただし、全期間、金利が固定されるためさまざまな金融機関の金利を比較しましょう。金利だけでなく、特約や諸費用なども含めて総合的に判断する必要があります。
住宅ローン【固定期間選択型】のポイント
固定期間選択型は、2年・5年・10年・15年など一定期間の金利が固定されるプランです。住宅ローン控除の期間が終了したら完済予定の場合や、子どもの教育費がかかる間だけ金利上昇リスクを抑えたいといった場合に利用しやすいでしょう。
固定期間終了後は「変動金利」となりますが、5年ルールや125%ルールが適用されないため、金利上昇により返済額も大きく上昇する可能性を考慮しておく必要があります。
住宅ローン【変動型】のポイント
変動型は、金融機関ごとにペースは異なりますが一般的に半年ごとに金利が見直されるプランです。金利上昇リスクを抱えることになるため、金利動向には注視しておきましょう。
元利均等返済を選択した場合には、5年ルールが適用され、5年間は返済額が据え置きとなるため、金利上昇後すぐに返済額が増えるといったことはありません。6年目以降には返済額が増えるものの、前の返済額の125%を超えることはありません。
しかし、返済額に占める利息の割合が大きくなり元金の返済が進まない可能性もあります。元金が減らず利息が膨らんでも125%ルールにより月々の返済額は一定の金額で維持されるため、返済期間の最終時に残りの元金と利息を全て返済しなければいけなくなります。
住宅ローンの金利選びは長期的な資金計画を立ててから慎重に判断する
長期金利が上昇したからといって、すぐに変動金利も上昇するわけではありません。
しかし、住宅ローンは10年、20年、30年、35年と長きに渡るものです。返済期間中に大きく金利が上昇する可能性は十分にあることを理解しておきましょう。
変動型を選ぶ場合には、金利が上昇し返済額の負担が大きくなった時にどのような対応がとれるのかがポイントです。
お子さまの成長やご自身のワークスタイルの変化なども考慮したライフプラン・マネープランと照らし合わせながら、住宅ローンの金利プランを検討しましょう。
参考資料
- 三井住友銀行「住宅ローン 金利水準推移(新規)」
- 日本銀行「当面の金融政策運営について」2023年7月28日
- 三菱UFJ銀行「住宅ローン」
- 日本銀行「金融政策に関する決定事項等 2023年」
- 住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)】」
和田 直子