過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 |
将来もらえる公的年金にはあまり期待していない、と言う方は多くなってきているかもしれません。
「老後の生活費は、年金収入とは別に2000万円不足する」という内容で話題となった「老後2000万円問題」などもあり、自助努力で老後資金を準備することは“当然”になりつつあるように感じています。
では、いま年金を受け取っている60歳~90歳のシニア世代はいくらぐらいの年金を受け取っているのか気になるところではないでしょうか。
私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから将来のお金についての相談を受けてきました。その経験もふまえ、現在のシニア世代を参考に、「国民年金」と「厚生年金」に分けて全年齢の公的年金平均受給月額を1歳刻みで確認しながら、将来へのお金の備え方についてお話していきたいと思います。
1. 国民年金(基礎年金)と厚生年金のしくみ
まずは「年金制度のしくみ」についておさらいします。
国民年金(基礎年金)は、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人を加入対象としています。
年金保険料は定額制(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)をとっており、20歳から60歳の40年間保険料を納付すれば「満額」(78万900円×改定率)が受け取れます。
納付期間が足りない場合は、その割合を満額から差し引く計算方式をとっています。
一方、厚生年金は国民年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給する制度です。
そのため、勤務先にそもそも厚生年金の制度があるのか、どれだけの期間勤務しているか、毎月の報酬月額はいくらか、などが、老後の受給額に響きます。
上記のことから、日本の年金制度は「2階建て構造」などと呼ばれています。