5. KDDIの事業におけるリスク要因は

KDDDIが示す「事業等のリスク」などをふまえると特に次のような要因がリスク要因となります。

  1. 他事業者との競争
  2. 市場環境の変化
  3. 顧客情報の流失など情報管理の不備
  4. 通信障害

5.1 リスク1.他事業者との競争

auは通信大手で、docomoやソフトバンクといった競合が存在します。またスマートフォンについては格安SIMなども競合関係にあるでしょう。これらの競合とのシェアの奪い合いや競争激化に伴う料金の引き下げ圧力などが、同社の業績悪化をもたらす可能性があります。

5.2 リスク2.他市場環境の変化

グローバルに事業を展開しているとはいえ、国内の通信ユーザーの顧客基盤はauにとって重要です。日本は少子高齢化に伴い人口減少が想定されていることから、構造的に長期で見ると需要の減退が懸念されます。

5.3 リスク3.他顧客情報の流失など情報管理の不備

auでは膨大な顧客情報やさまざまな機密情報、最先端技術に関する情報などをもっています。これらの流出がauの業績にダメージを与える可能性があります。直接的に業績悪化をもたらすほか、レピュテーションの毀損が長期にわたり業績を圧迫する場合もあります。

5.4 リスク4.他通信障害

通信障害の影響はまさに2022年の半ばにかけて出ていたところです。ひとたび大規模な通信障害を引き起こすと、顧客に対する損害の補填や再発防止策の実行などにより多大なコストがかかる場合があります。

障害の頻発もまた、レピュテーションの悪化を引き起こすリスク要因となるでしょう。

参考資料 

宮野 茉莉子