FIREで早期に仕事を退職する方もいれば、65歳を超えても働き続ける方も多くいます。

仕事が好きで、働き続けている方もいますが、働かざるを得ない状況の方がいるのも現実です。

日本は欧米と比べるとまだ物価が安いとも言われていますが、物価上昇が続いています。

将来的に年金生活になった時にいくら貯蓄があれば安心できるでしょうか。今回は「70歳代」に注目し、貯蓄事情について眺めていきたいと思います。また、老後生活を支える「国民年金・厚生年金」をどのくらい受け取っているかも確認しておきましょう。

1.【70歳代以上】「貯蓄2000万円超」の世帯は約28%

かつて話題となった「老後2000万円問題」。

各種データをもとに試算した結果、老後に約2000万円が不足するというものでした。しかし、年金収入や生活水準などのお金事情は人それぞれ。

2000万円あっても足りない世帯、1000万円くらいで十分な世帯などさまざまでしょう。

とはいえ、「平均値」に基づく試算結果ですので、ひとつの目安として有効かもしれません。

では、いまのシニア世代の人たちは「貯蓄2000万円」をクリアできているでしょうか。

今回は70歳以上の貯蓄について見ていきます。

1.1【70歳代以上】貯蓄現在高《平均:1905万円・中央値:800万円》

金融広報中央委員会「各種分類データ(令和4年)ー家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、70歳代以上の貯蓄の平均額は1905万円・中央値は800万円です

70歳代世帯の貯蓄現在高について、金額ごとに世帯割合を見ていきましょう。

  • 平均:1905万円
  • 中央値:800万円

【70歳代以上】貯蓄現在残高ごとの世帯割合

  • 非保有:18.7%
  • 100万円未満:5.9%
  • 100~200万円未満:4.1%
  • 200~300万円未満:2.8%
  • 300~400万円未満:4.0%
  • 400~500万円未満:2.2%
  • 500~700万円未満:7.5%
  • 700~1000万円未満:6.5%
  • 1000~1500万円未満:10.3%
  • 1500~2000万円未満:7.1%
  • 2000~3000万円未満:10.0%
  • 3000万円以上:18.3%
  • 無回答 :2.7%

貯蓄額2000万円超の70歳代世帯は28.3%ということがわかりました。

「老後2000万円問題」をクリアする70歳代は約3割ですね。