3.【厚生年金】月額20万円未満は「男性約78%・女性約99%」

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身シニア世帯の月の生活費は15万5495円です。

上記の平均値で考えると、ひとり暮らしのシニアの場合、老齢年金を含む収入が約16万円あれば、月々の生活費をカバーできることになります。

先ほど確認した厚生年金の平均受給月額は「額面」です。税金や社会保険料などが天引きされることなども加味して「月額20万円」あると安心ですよね。

しかし、厚生年金をひとりで月額20万円以上も受給している方は、ほんの一部です。月額20万円に満たない人の方が以下の通り圧倒的という結果に。

  • 男性:77.51%
  • 女性:98.78%

理想とする生活水準がどの程度かにもよりますが、冒頭にも触れた通り、将来的な物価上昇を加味すると、今と同水準の生活を送っていくことが困難になる方も多いでしょう。

とは言っても生きていかなければならない現実、今のうちに少しでも蓄えを準備しておきたいですね。

4.「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で年金額の把握をしよう

年金額や貯蓄額は人によって個人差があります。また年金の給付水準自体は物価や賃金を考慮して、年度ごとに見直しが行われます。

現時点で自分が将来どれくらいの老齢年金を見込めるか知りたい方は、「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」を使ってみるのがおすすめです。

老後対策の第一歩としてまずは自分の年金額を把握してみましょう。

5. お金にも働いてもらいながら老後の資産形成を。

今回は今のシニア世代の公的年金受給額について眺めてきました。

将来的に年金収入だけでは不安という方も多いのではないでしょうか。

ではどのように不足分を準備したらいいのか。低金利の日本ではどんなに時間をかけても効率的に資産を増やすことはもはや不可能です。

そこで活用していきたいのがお金に働いてもらうこと=資産運用です。

貯蓄とは異なり、資産運用にはリスクがともないます。大切なことは「長期・分散・積立」の3つのポイントをおさえることです。

リスクの許容度も人それぞれです。今は国も自助努力を後押しする仕組み、制度を用意してくれていますので、メリット・デメリットをきちんと把握した上でご自身に合った方法を取り入れてみてください。

スタートは早いに越したことはありません。無理なく時間を味方につけて将来のセカンドライフを楽しみましょう。

参考資料

笹村 夏来